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静かな対中外交

Posted September. 05, 2022 08:57,   

Updated September. 05, 2022 08:57

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来月16日、中国北京では中国共産党第20回党大会が開かれる。5年に一度開かれる党大会では,今後5年を率いる共産党指導部が選出される。今回の党大会が特に注目される理由は、習近平国家主席が長期執権(3期目入り)を確定する「戴冠式」になる可能性が高いためだ。

中国共産党は1949年から76年に死去するまで終身執権した毛澤東の死後、権力を複数の人が分け合い、名目上の最高指導者も10年ごとに交代することを決めた。慣例通りなら、2013年に執権した習氏は今回退かなければならない。しかし、約30年間守られた慣例は今回壊れるものとみられる。

習氏の15年執権(2027年まで)は、既成事実となっている。一部では、さらに2032年までの4期目という分析も力を得ている。慣例は最初に破るのが難しい。1953年生まれの習氏が2032年まで執権しても79歳に「すぎない」。現在80歳のバイデン米大統領よりも若い。米中対立の深化、ロシアのウクライナ侵攻、台湾問題のような国際情勢も、力のあるトップの長期執権を後押しする。しかも習氏は、既存のあらゆる役職を上回る「人民の領袖(りょうしゅう)」という新しい称号も得るとみられる。こうなると、4期目以降も何らかの形で権力を行使する可能性が高い。

韓国はいわゆる1人権力が強化された「始皇帝の中国」を相手にする準備ができているのだろうか。韓国は、習政権1、2期の中国に対して未熟さを露呈した。文在寅(ムン・ジェイン)政府時代、中国の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)報復を解決するとし、安全保障の未来を犠牲にして「3不」を実施した。中国は、THAAD運用制限を意味する「1限」まで韓国が宣言したと主張する。しかし、韓国が得たものはない。「韓限令」は、まだ解けていない。手持ちの札をあまりにも早く見せた「早急な外交」、すべてがうまくいくという根拠のない「楽観外交」、裏で事を処理しようとする「静かな外交」が同時に作用した結果だ。

このような外交の長年の病がまた起こる兆しが見える。先月初めに台湾を経て韓国を訪れたペロシ米下院議長に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は会わなかった。ペロシ氏が台湾を訪れた直後、中国が台湾上空を横切る弾道ミサイルを撃つなど強く反発したことを考えると、これは中国に対する大きな配慮ということが分かる。しかし、それから得たものは何か。むしろ中国外交部から公式に「3不1限」を順守するよう「訓戒」を言われた。

最近、韓中国交樹立30年行事を行い、駐中韓国大使館ではTHAAD問題が一段落したという楽観的な分析が出ている。しかし、韓中両国間で明示的な合意がない限り、THAAD問題は曖昧な縫合状態にすぎない。中国はいつでもTHAADカードを取り出すだろう。

今よりも密室に向かうことになる始皇帝の中国を相手にする韓国は、逆にすべてが明瞭で透明でなければならない。すべての外交的決定は国益に基づかなければならず、今よりも公的でなければならない。密室謀議で静かに事を処理する権威主義的な中国の方式に従っては、再び不意打ちをくらう。国民とより多く意思疎通し、国民にもっと公開的に説明しなければならない。新任の鄭在浩(チョン・ジェホ)駐中韓国大使は、学者時代に「韓中間の『静かな外交』を止める時が来た」と主張した。言葉だけでないことを政府が示すことを望む。