Go to contents

バイデン氏「数週間内に原油増産」、サウジは「議論しなかった」と一蹴

バイデン氏「数週間内に原油増産」、サウジは「議論しなかった」と一蹴

Posted July. 18, 2022 09:17,   

Updated July. 18, 2022 09:17

한국어

大統領就任前から世界最大産油国サウジアラビアの人権弾圧を批判してきたバイデン米大統領が、原油高によるインフレ危機を打開するために就任後初めてサウジを訪れ、原油増産を要請したが、確約は得られなかった。サウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された事件に関与したとされるサウジの実力者・ムハンマド皇太子と会って、拳を突き合わせてあいさつまでしたが、サウジ側が「増産の議論はなかった」と線を引いたうえ、米国の人権弾圧まで批判したことで、実益もなく面目丸潰れとの批判を受けている。

バイデン氏は15日、サウジの2大都市ジッダでムハンマド氏に会った。バイデン氏は13~16日の4日間の中東歴訪で、イスラエルのラピド首相など中東指導者と会った時は抱き合ってあいさつしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、ムハンマド氏とは拳を突き合せた。米紙ワシントン・ポストのコラムニストだったカショギ氏が2018年にトルコ・イスタンブールのサウジ領事館で殺害された事件で、ムハンマド氏の承認があったとされ、米国の一部で中東歴訪前から「残酷な独裁者と手を握った」と批判していることを意識した行動とみられる。

バイデン氏は会談後の記者会見で、原油増産に向けて「数週間のうちに更なる措置が取られると期待している」と述べた。しかし、サウジのファイサル外相は16日、「原油増産の議論はなかった」と否定した。また、イランの脅威に対応する共同防衛の議論もなかったと述べた。特に、CNNなどは、会談でムハンマド氏がイラク戦争で米軍がイラクのアブグレイブ刑務所で捕虜を虐待した事件を取り上げ、バイデン氏に「人権逆攻勢」を浴びせたと伝えた。このため、米国内では批判の声だけが強まっている。カショギ氏が所属したワシントン・ポストのフレッド・ライアン最高経営責任者(CEO)は、「拳を突き合わせる光景は恥ずかしいものだった」とし、「ムハンマド氏が望む『不当な贖罪』を与えることになるだろう」と批判した。

弱り目にたたり目で、バイデン氏が力を入れている炭素中立、クリーンエネルギー中心の気候変動対策法案が与党民主党の中道派ジョー・マンチン上院議員など一部議員の反対で上院通過が難しくなり、バイデン氏が窮地に立たされるという観測が流れている。


金玹秀 kimhs@donga.com