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韓悳洙氏の首相承認通過、与野党の協治を導く首相に

韓悳洙氏の首相承認通過、与野党の協治を導く首相に

Posted May. 21, 2022 09:06,   

Updated May. 21, 2022 09:06

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韓悳洙(ハン・ドクス)首相候補に対する国会承認案が通過した。指名から47日が経過した。在席250のうち、賛成208、反対36、棄権6で可決された。これにより、新政府の初代首相の初の承認否決事態は辛うじて避けることができた。当初、野党「共に民主党」内では、「不適格」強硬論が優勢だったが、採決前、議員総会で激しい討論を経た末、「賛成党論」を確定した。新政府の足を引っ張ることは、かえって逆風を受けることになる恐れがあるという穏健論が力を得たという。

 

尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の初代首相の承認をめぐって一歩も譲らなかった与野党が、終盤に劇的に歩み寄ったことは幸いだ。特に、尹大統領が国会施政演説で超党派の協力を呼びかけて一日で韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官の任命を強行するなど野党を刺激した状況で、「共に民主党」が「賛成党論」を採択したことだけでも、新政府が一歩を踏み出すうえで助けになったと言える。これを機に、協治の糸口を見出すことが期待される。尹大統領も、2人の子どもの慶北(キョンブク)大学医学部の編入で影響力を行使したという疑惑を受けている鄭鎬永(チョン・ホヨン)保健福祉部長官候補の指名を撤回するなど、野党の「協力」に相応の措置を取ることが望ましい。

尹大統領は、「協治を念頭に置いて指名した首相」と述べた。施政演説では、「真の自由民主主義はまさに議会主義」と強調した。167議席の巨大野党の協力を得なくては、新政府が国政をまともに運営できないことは厳然たる現実だ。「共に民主党」は政略的に新政府の政策推進を反対し妨害してはならないが、新政府も野党との意思疎通を増やさなければならない。

 

韓氏は指名直後「オールドボーイ」と呼ばれた。初代内閣を安定的に率いる経験と能力を備えているが、第4次産業革命時代に合った進取的で改革的なリーダーシップとは距離があるという指摘だった。公職から退いた後、大手ローファームで高額諮問料を受け取り、「前官礼遇」、「回転ドア人事」批判もあった。

にもかかわらず国会承認の関門を通過できたのは、与野党の政治的計算も作用したが、より根本的には米中対立、物価・金利・為替の「3高」危機、雪だるま式に増える国の借金と家計負債などの複合危機に、新政府が迅速に対応できる条件を作らなければならないという世論のためだ。韓氏はこの点を忘れてはならない。自ら誓った通り、靴のかかとが擦り減るほど飛び回り、与野党の合意を引き出し、国内外の危機をかき分けて行く責任首相の役割を遂行しなければならない。