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世界的な物価恐怖に米は「死に物狂い」で対応、韓国は資金供給を工夫

世界的な物価恐怖に米は「死に物狂い」で対応、韓国は資金供給を工夫

Posted February. 14, 2022 07:49,   

Updated February. 14, 2022 07:49

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世界経済は、インフレの衝撃に見舞われている。エネルギーや食料品価格の上昇で、米国の1月の消費者物価は1年前より7.5%も上昇した。40年ぶりの最高の上げ幅だ。欧州連合(EU)執行委員会も最近、ユーロ圏(ユーロ使用の19カ国)の今年の消費者物価の上昇率の予測を3.5%に上方修正した。韓国の消費者物価も、4カ月連続で3%台の高止まりを見せている。韓国銀行(韓銀)は来週中に、今年の物価予測値を昨年の2.5%を大きく上回る水準に引き上げる見通しだ。

さらに深刻なのは、物価上昇が長引く可能性が高まっていることだ。最近の物価上昇の圧力は、石油類や食料品などに限らず、耐久財など全方位に広がっている。コロナ禍でグローバル供給網の硬直がなかなか解消されず、原油生産量の拡大も遅々として進まず、原油価格は1バレル=100ドル台に迫っている。EUの天然ガスの43%を供給するロシアが、ウクライナに侵攻すれば、1970年代の「オイルショック」に匹敵する衝撃が世界経済を襲う可能性が高い。

物価上昇期に真っ先に苦しむのは、いつも庶民だ。米国では、生活物価が賃金より速いスピードで上昇し、実質所得が減少する事態が起きている。バイデン米大統領が、「必死で物価を抑える」と言った理由だ。輸入原材料や部品価格の上昇による韓国企業の打撃も、現実のものとなっている。年明けから今月10日までの貿易収支赤字は、80億ドルを超えている。1年前は、同期間は9億5400万ドルの黒字だった貿易収支が、急速に悪化している。

高騰する物価を抑えるため、米連邦準備制度理事会(FRB)が、現在の「ゼロ金利」を来月一気に0.5%ポイント引き上げる可能性も高まっている。その他の各国政府や中央銀行も、財政支出を減らして金利を上げる方向に急速に切り換えている。ところが大統領選挙を控えた韓国の政界は、1年間に数兆ウォンから数十兆ウォンを投じるばら撒き公約を連日打ち出している。現政権が遅れて住宅供給を推進した影響で、今年、第3期新都市を巡る土地補償に30兆ウォンを超える資金が供給されるなど、物価上昇の要因が山積している。

韓国経済は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で「原油依存度」が最も高く、原油高などが続けば、致命的なダメージを受けかねない。利上げで資産価格まで下落すれば、消費まで萎縮し、スタグフレーション(景気低迷の中での物価上昇)に陥る可能性は少なくない。政界が、従来の予算支出は減らさず、借金をして補正予算を拡大するように政府に働きかけてもいいほど呑気な状況ではない。