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ばら撒いてから「蔵が空っぽになる」と泣き言を漏らす経済副首相

ばら撒いてから「蔵が空っぽになる」と泣き言を漏らす経済副首相

Posted September. 08, 2021 08:07,   

Updated September. 08, 2021 08:07

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洪南基(ホン・ナムギ)経済副首相が6日、「国の蔵が積もるのではなく、空っぽになっている」と述べた。国会予算決算特別委員会で、与党「共に民主党」の高旼廷(コ・ミンジョン)議員が「蔵に穀物を積んでおく理由は何か」と尋ねると答えた内容だ。無分別な財政拡大で国の借金が1000兆ウォンを超えたのだから、洪副首相の言葉は正しい。しかし、補正予算を含め、10回も予算を編成した財政責任者が、まるで他人事のようにこのような発言をするとは、あきれるばかりだ。蔵に穀物がたまっているという政界の認識は、現実とはかけ離れている。

洪副首相は4日に就任1000日を迎えた。最長寿記録だが、蔵番としての役割は落第点に近い。洪副首相の在任期間中、国家予算は政府発足時より50%増加した。国家債務比率など、国の借金と関連した統計はその大半が過去最高を更新した。そうしておきながら、任期が終わる頃、蔵が空っぽになるという。「私は警告した」といった具合に財政悪化の責任を回避しようとする卑怯さと映りかねない。

氏は、国の財政を心配した翌日には「財政がしっかりしている」と言葉を覆した。前日の発言に対し、与党議員らが「国民を不安にさせるな」と反発すると、発言を変えたのだ。所信を話したが、立場を覆したのは今回だけではない。今年の第2次補正予算の議論の過程で、全国民への災害支援金に反対し、所得下位70%の支給を主張した。しかし、政界に押されて88%支給に退いた。以前の4度の災害支援金の支給の時も、完全に所信を貫いたことがない。

洪副首相は、国家債務の増加スピードが速いとしながらも、財政健全性を改善する時点は2023年だと釘をさした。責任を次の政府に転嫁したのだ。もちろん、洪副首相のせいにすることはできない。与党がばらまき政策で国の借金を急増させたのは事実だ。「今も蔵があふれている」というあきれた主張で、資金供給に没頭する政界は責任を避けられない。しかし、このようなポピュリズムに対抗して国の蔵を守るポストが経済副首相だ。

大統領選挙を控え、ばらまき公約があふれている。その大半が国家財政をつぎ込む現金性支援政策だ。次期政権でも、財政健全性を期待することは難しいと見なければならない。洪副首相は昨年、国の借金を制御する装置として財政準則を作った。緩い水準に過ぎないにもかかわらず、国会の敷居をまたぐことができずにいる。彼は機会あるごとに財政準則の施行を主張しているが、これさえも貫く決意があるのか疑問だ。「最長寿」の経済副首相が汚名として残らないよう、働く時間があまり残っていない。