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北朝鮮の都合のいい「言論の自由」

Posted July. 27, 2013 03:14,   

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「自由と言いながら、なぜ邪魔をするのか」

26日、開城(ケソン)工業団地では、北朝鮮側関係者が予告なく韓国記者団がいるプレスセンターに乱入する事態が起こった。北朝鮮側は制止する韓国側関係者に、「私たちの自由だ」と言って記者会見を強行した。今回の事件で、北朝鮮側関係者の口から「自由」という言葉が飛び出したことは多少ぎこちなかった。これまでの自由に対する北朝鮮のダブルスタンダードを改めて想起させる言葉だった。

北朝鮮はこれまで、開城工団を閉鎖した理由の1つとして韓国メディアの報道を問題にした。韓国側の記事で、開城工団を「ドル箱」、「金脈」、「飯の種」などと表現し、「北朝鮮の最高尊厳」を侮辱したと非難してきた。その後、北朝鮮は韓国大統領と長官の名前を挙げ、低劣な非難を続けた。今回は、開城工団会談が決裂の危機に直面すると、自分たちの考えを伝えるためにこれまで自分たちが非難してきた韓国側メディアの自由に寄りかかろうとした。北朝鮮が「言論の自由」を自分たちの都合よく解釈していることを物語る。

開城工団稼動停止の再発防止に対する態度も然りだ。北朝鮮は、自分たちは合意書に再発防止を担保すると明らかにしたにもかかわらず、韓国側が合意を先送りにしたと主張する。しかし、第4次会談で提示した合意文で、「韓国側は開城工業地区の安定的運営に阻害される一切の政治的言動と軍事的脅威行為をしない」という内容を追加した。つまり、韓国が自分たちの気に入らない行動をすれば、再び工団の閉鎖や労働者の撤収を強行する可能性があるという意味だ。言い換えれば、韓国側に対しては規制をかけ、北朝鮮は今後の閉鎖に対する名分と自由を持つと解釈され、韓国側代表団としては決して受け入れることのできない条件だ。

すべての人が各自の無制限の自由を叫ぶなら、反対にその中でいかなる人も自由ではない。これを「自由の逆説」と呼ぶ。韓国と北朝鮮は体制と思想が異なるため、各自考える「自由」の意味も異なり得る。しかし、自由を享受するには、各自が最低限のルールを守らなければならないという「自由の逆説」は通用しなければならない。北朝鮮が開城工団を再稼働してその中で韓国と北朝鮮の労働者、企業家が自由に生活することを望むなら、自由に対するダブルスタンダードを捨て、「自由の逆説」を受け入れなければならない。