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[オピニオン]ミサイル射程の国際政治

Posted September. 06, 2012 08:59,   

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ミサイルは、ターゲットを攻撃するための弾頭を装着した飛行体だ。核爆弾や生物化学(BC)兵器を搭載したミサイルは、最も強力な大量破壊兵器だ。しかし、ミサイル拡散を規制する国際ルールは事実上ない。冷戦期間を経て、米国と旧ソ連が開発した弾道ミサイルの技術は、全世界に急速に拡散した。イランとイラクはスカッドミサイルを互いに発射した。米国が中心となった主要7ヵ国(G7)のメンバー国が最初に出したのが、1987年のミサイル技術管理レジーム(MTCR)だ。

◆MTCRは、射程300キロ以上、搭載重量500キログラム以上のミサイルの完成品や部分品、関連部品、技術の移転を統制している。しかし、自主的に行われるに過ぎず強制的なルールではない。加盟国でなければ拡散防止の義務もない。2001年3月に加入した韓国はMTCRの統制を受けるが、北朝鮮は制約を受けない。韓国は1979年、米国と別の交渉で射程を180キロ以内に制限することで合意し、2001年に米国との1次改正交渉で射程を300キロに伸ばした。しかし、弾頭の重量は33年間変わっていない。500キログラム以下では核弾頭は装着できない。

◆昨年始まった韓国と米国の2次改正交渉が今年10月に最終合意に至るもようだ。同盟国の韓国が保有するミサイルを米国が恐れる理由はない。北朝鮮はすでに射程3000キロ以上の弾道ミサイル「ムスダン」を実戦配備し、射程6700キロ、弾頭重量650〜1000キログラムのミサイル「テポドン2」を試射した。南北間の深刻なミサイル能力の不均衡を正すには、少なくとも射程800キロは必要だ。しかし、射程の延長で一部地域が射程圏に入ることになる中国と日本は反対する。

◆韓国のミサイル能力増強に対して日本が反対の立場を米国に伝えたという未確認の報道もあった。事実なら、韓国が推進する最低限の安保自救の努力を妨害するものだ。日本はすでに韓半島全域を射程内に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発技術を保有しており、その気になれば核兵器を開発することもできる。敵国北朝鮮の長距離ミサイルの試射に敏感に反応することは理解できるが、韓国のミサイル射程の最低限の延長に口をはさむことは、外交的挑発に近い行為だ。

ハ・テウォン論説委員triplets@donga.com