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[オピニオン]マイクの呪い

Posted March. 29, 2012 05:57,   

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オバマ米大統領は話が上手く、コミュニケーションの大統領という評価を受けている。平易な単語の短文の演説は、説得力がある。しかし猿も木から落ちる時がある。オバマ大統領はソウル核安全保障サミットで、マイクが入っていることを知らずに、ロシアのメドベージェフ大統領に大統領選挙が終わったら欧州ミサイル防衛(MD)システムで柔軟に対応するという発言をした。欧州を狙ったミサイルを迎撃する米国と欧州国家の防衛戦略にロシアが反発している。オバマ大統領の発言は、米国がロシアに譲歩するかのような印象を与え、共和党が攻撃の機会をうかがっている。

◆オバマ大統領は昨年11月、フランス・カンヌで開かれたG20サミットの時も、マイクが入っていることに気づかず、フランスのサルコジ大統領とともにイスラエルのネタニヤフ首相について話をした。サルコジ大統領が「彼は嘘つきだ」と言うと、オバマ大統領は「私は毎日その彼を相手にしなければならない」と相づちを打ったのだ。ブッシュ前大統領は、チェイニー副大統領と選挙遊説をしていた時、「あそこにニューヨーク・タイムズのバカ(asshole)、アダム・クライマー(記者)が来た」と言った。この発言はマイクを通じて聴衆にそのまま伝えられた。

◆2010年、英国のブラウン首相は、自分に答えにくい質問をした女性有権者に向かって、「最悪」と言った内容が放送局のマイクで流れ、女性の自宅にまで行って謝罪するはめになった。失言で人気が上がったケースがないわけではない。レーガン元大統領は、ラジオ演説の前に、マイクが作動中であることを知らずに、「たった今、ソ連を永遠に不法化する法律に署名したことを知り、うれしい。5分後に爆撃が始まるだろう」と冗談を言った。共産主義を軽べつするユーモア感覚に人々は腹を抱えた。

◆コミュニケーション専門家のロバート・ジェノア氏は、「人と人の間で起こるすべての問題の本質が言葉だ」と言う。古今東西、口は災いの元だ。1年の運勢で「今年は発言に気をつけろ」という警告が多いこともそのような理由からだ。マイクも問題だが、最近はスマートフォンの画面をタッチするだけで、動画が撮影される。しかし「沈黙は金」とも言えない世の中だ。自ら注意するほかない。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com