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呉銀善隊長、強風のためアンナプルナ登頂断念

呉銀善隊長、強風のためアンナプルナ登頂断念

Posted October. 20, 2009 09:41,   

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「無事に帰らせてくださり、ありがとうございます。来年、またお邪魔します」

19日午後1時(現地時間)、ベースキャンプに到着した「鉄の女性」呉銀善(オ・ウンソン)隊長(43=ブラックヤク、写真)は、ラマ祭壇の前でついに涙を流した。いつも気丈だった彼女は涙を抑え、「後悔はしていませんが、残念で仕方ありません」と話した。

これに先立って呉隊長は午前7時半、前進ベースキャンプ(5100メートル)から頂上を眺めた。頂上の付近は相変わらず、雪が強く降っていた。一晩中、風が静まるようにと祈っていたが、アンナプルナは彼女の願いを叶えてはくれなかった。むしろ10日ぶりに再び大雪が降ってきた。呉隊長は、「撤退しよう」と短く語った。

呉隊長がアンナプルナ登頂に失敗した。1993年、初めて足を踏み出して以来、16年間、呉銀善を誘惑したヒマラヤ。憎くなる時もあったが、限りなく恋し続けた「一生の恋人」ヒマラヤは、いま再び呉隊長の意志と根気を試した。「鉄の女性」は偉大な自然の前に頭を垂れた。そして、また来ることを誓った。

17日、ベースキャンプ(4190メートル)を出発した呉隊長は、4時間後に前進ベースキャンプ(5100メートル)に到着したが、強風に足を引っ張られ、一歩も動けなかった。地元の天気予報によると、27日まで頂上付近の風は平均秒速25メートル以上で、最高秒速は32〜43メートルという。呉隊長は、17、18日の2日を前進ベースキャンプで待機しながら、気まぐれなヒマラヤの風が弱まるのを待った。しかし、アンナプルナは微動だにもしなかった。ヒマラヤ8000メートル級の14座の中で、完登者が最も少ない峰(08年6月基準153人)であるのは確かだった。

秋にアンナプルナに登るのは天運にかかっているとも言われる。今度の呉銀善遠征隊を含めて、1990年以後、秋にアンナプルナの北壁を通じて頂上に挑戦したチームはわずか17チームで、登頂に成功したのは2チームだけだ。呉銀善遠征隊をはじめ、今秋、アンナプルナの北壁に足を運んだ韓国の遠征隊4チームは、いずれも登頂に失敗した。これで、呉隊長が08年5月、マカル(8463メートル)から続けてきたヒマラヤ連続登頂は8で止まった。

呉隊長は、ヒマラヤ14座完登にピリオドを打つことになるアンナプルナ登頂に失敗したため、大記録の達成は来年に持ち越されることになった。今回の挑戦が失敗に終わったとはいえ、呉隊長が「世界最初の女性による14座完登」の主人公になる可能性は依然として高い。

ライバルのエドゥルネ・パサバン(36=スペイン)は、今月、13番目の峰のシシャパンマ(8027メートル)に挑戦したが、同じく強い風のために失敗した。パサバンは14座完登に向け、シシャパンマとアンナプルナの2つだけを残している。他のライバルのゲルリンデ・カルデンブルナ(39=豪州)もエベレスト(8850メートル)とK2(8611メートル)を残している。呉隊長と2人のライバルにはいずれも冬の登山計画はない。

呉隊長は先月4日、遠征隊の結団式で、「心配しないでください。厳しかったら下山します」と話した。彼女を大事にしている人々にはありがたい約束だった。残念だが、彼女は約束を守った。そして次回に希望を託した。



hanwshin@donga.com