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[オピニオン]南韓風

Posted July. 12, 2007 03:28,   

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脱北者のA氏は先日、北朝鮮に残してきた娘と電話通話をして、そこの変化を切実に感じた。19歳の娘が家の消息を伝えている途中、いきなり「大長今(デジャングム)のCDを送ってほしい」と言うではないか。娘はCDをコピーして売れば、お金をたくさんもうけられるとして、ブローカーに手数料を払って、現金を送ってもらうよりはるかに家計に役立つと説明した。A氏と付き合いがある自由北朝鮮放送の代表の金ソンミン氏が聞かせてくれた話だ。

◆北朝鮮に南韓のドラマ、映画、歌謡が広がったのは今日に始まったことではない。中国の接近地域にでき始めたカラオケ、映画ボックス、インターネット・カフェなど「南朝鮮の娯楽施設」が最近は、北朝鮮の全域に広がっているという。利用する年齢層も多岐にわたっている。昨年、咸鏡南道徳城郡(ハムギョンナムド・トクソングン)で「非社会主義現象を根絶するための群衆裁判」が開かれたが、人民学校(小学校)の子供12人が連れ出された。禁止された南朝鮮の録画ものを見た疑いだった。子供だということで教師が代わりに処罰されたが、「南韓風」が老若男女を問わず北朝鮮の住民らに広がっていることを見せてくれる。

◆東亜(トンア)日報が入手した北朝鮮の布告令によると、北朝鮮の人民保安省は最近、国の承認なしに開設されたカラオケ、映画ボックスなどをすべて閉鎖するように指示し、従わない者に対しては職位や所属と関係なく厳罰に処すると警告した。北朝鮮当局は3年前にも「南朝鮮の映画を見る者、ビデオ機器を有していながら登録しない者は厳しく処断する」という布告令を打ち出している。警告が頻繁に発せられているというのは、それだけ体制の守護に危機感を覚えているという意味にもなる。

◆希望事項ではあるが、北朝鮮当局が南韓風を韓流の観点で見るのは不可能なことだろうか。アジア全域で流行っている南韓の大衆文化を北朝鮮の住民も楽しめるようにすることこそ「民族同士」という掛け声の実践ではなかろうか。金正日(キム・ジョンイル)総書記からして南韓の映画やドラマに夢中になっているくせに、住民に見るな、聞くなと言うのは話の辻褄が合わない。北朝鮮の住民らも南韓の人と同じく楽しみたいはずだし、羽を伸ばしたいはずなのに、いつまで封じ込められると思っているのか。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com