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歌手チンジュ「自分の話のようでワンワン泣きました」

歌手チンジュ「自分の話のようでワンワン泣きました」

Posted August. 23, 2004 22:38,   

作品の主演俳優に「適役」という評価は褒め言葉だが、創作ミュージカル『タムプルズ』の主演を引き受けた歌手チンジュ(24)に、この話をしようとすればすまない気持ちが先走る。

『タムプルズ(Tomfools)』は「ぶす」という意味。歌の実力はすぐれているが醜い、劇中の4人女性ボーカルグループの名前だ。歌唱力のない美貌の「サファイアガールス」の歌を代わりに歌い、「タムプルズ」がついでに外貌の限界を乗り越えて成功するというのが、このミュージカルの筋書だ。他人が歌ってくれる歌に口だけを合わせる「金魚歌手」と歌謡界に外貌至上主義を指摘したこの創作ミュージカルで、チンジュは『タムプルズ』の上の子「クンヒ」役を演じた。

ミュージカルの企画過程でキャスティングの最優先条件は「歌唱力と(綺麗でない)外貌」だった。20日、インタビューに同席した制作会社ウンセゲのソン・ダイン企画室長は「シナリオを読むやいなや、チンジュが浮び上がった」とし「もし成形手術をしてきれいになったらどうしようかと心配したが、会ったら相変らず『そのままで』安心した」と話した。チンジュは「主演俳優にひどいと思いませんか」といたずらに話しながらも、「シナリオを読んで本当に自分の話のようでわんわん泣いた」と打ち明けた。

チンジュは、1997年に歌手兼制作者である朴ジンヨンさんに抜擢されて、爆発的な歌唱力で『私は大丈夫』を歌って注目された。「ある日、彗星のように登場した」ようだが、チンジュのデビュー過程は涙ぐましい。小学校5年生のときから他の歌手のコーラスをしたぐらい、いち早く実力を認められたが、いざとなると自分のアルバムは出すことができず「タムプルズ」のように、他人のアルバムの吹き込みのときは代わりに歌わなければならなかった。外貌のため、企画会社から断られたことは数え切れないほど多かった。

「デモCDだけを聞いたときはみんな訪れるように言うが、実際行くと『社長が出張中で』と会ってくれないんです。『大金の見積りが出る』という言葉を聞きながら5年間の無名生活を送ったんです」

ミュージカルの中で「タムプルズ」は「顔を隠してアルバムを出そう」という「神秘マーケティング」の提案を受ける。

「私の本名は『チュジン』です。『チンジュ』という名前を使うようになったのも、朴ジンヨンさんの一種の『神秘マーケティング』でした。『チンジュ』と言えば、なんだか顔も白くてきれいな歌手が思い浮かぶでしょう」

放送出演のときは目が小さくて大きなサングラスをかけて出なければならなかったし、きれいでない下の歯が見えるといけないので最大限口をつぐんでいなさいと「演出指導」も受けた。

「そう過ごしていたら『チンジュ』といえば、なんだか何も言わなくて真摯な歌手として知られていたんですよ。ハハ…」

「ルックス」を全く無視することができなかったチンジュは二重瞼の手術も受けており、歯の矯正のために米国の有名な医師とも相談した。しかし「歯列を矯正すれば、口腔構造が変わって音が変わる」との言葉にあきらめてしまった。

歌謡界の「外貌重視」風潮に悲しみを味わったが、これに対するチンジュの考えは大胆だ。「大衆を引き付ける魅力は必要です。その基準が外貌であれ歌の実力であれ、大衆が願うのが優先です。私は歌の実力をもっとつけるべきが…」。

もう5番目のアルバムを出すチンジュは、新たに移した所属会社の金ソンヒョン社長(24)と婚約している。「もし私が『サファイアガールス』のようにきれいな歌手だったら、こういうときに『恋人いないんです』って、きっぱり白を切ったでしょうね(笑い)」。

公演は29日まで。チンジュは金・土・日出演。お問い合わせは02—747—2250



康秀珍 sjkang@donga.com