3日連続ウォン高・ドル安が進み、韓国外国為替市場で政府の為替防御能力が限界に達したという分析が出ている。
政府はこれを否定しながら再び強力に「口頭介入」に出たが、専門家たちは大勢に逆らってレートを高く維持してえいるが、為替暴落によって外国為替市場に大きな混乱をもたらしかねないと警告している。
▲速まった為替レートの下落速度〓旧正月連休直前の1月20日、ソウル外国為替市場で1188ウォンだったウォンの対ドル相場は、26日=1180.5ウォン、27日=1176.2ウォン、28日=1171.6ウォンと、3日で16.4ウォンも値上りした。
28日の為替は昨年11月14日の1171.3ウォン以来、2ヵ月半ぶりの最高値だ。外換(ウェファン)銀行外為チームの具吉謨(ク・ギルモ)課長は「来月6、7日に米国で開かれる先進7ヵ国(G7)財務相会議で、為替防御が取り上げられることを憂慮した政府が、外国為替市場への介入を慎んでいるようだ」とし「長期的には1170ウォン割れが大勢だが、現在の水準がいつまで維持されるかは政府の『意志』にかかっている」と話した。
政府はこのような市場の見方を憂慮したかのように為替防御意志を重ねて強調した。財政経済部(財経部)の崔重卿(チェ・ジュンギョン)国際金融局長は「各中堅企業が為替によって損害を被らない水準を『適正為替』とみる」とし「さらにウォン高が進むと三星(サムスン)電子のような優良企業以外の会社は直ちに苦境に立たされる」と話した。
金振杓(キム・ジンピョ)副首相兼財経部長官も「市場参加者が過度の投機筋になれば、やむを得なく市場に介入することがある」と話した。
▲政府の為替防御、限界か〓現在韓国経済の唯一の柱である輸出を支えるための政府の為替防御能力がもう限界に至ったという分析が力を得ている。
財経部が外国為替市場の安定のために発行する外国為替平衡基金債券(外平債)の発行限度は5兆8000億ウォンしか残っていない。外平債の発行による資金を吸収するために、韓国銀行が発行する通貨安定証券も105兆ウォンを超えて年間利払い負担だけで5兆ウォンを超すものとみられる。
それに、今月だけで株式市場に4兆ウォン以上の外国人投資資金が入ってきており、輸出好調で貿易収支の黒字額も高まっている。来月G7会議で米国と欧州連合(EU)諸国は日本、韓国などアジア諸国の為替防御を問題視することが確実視される。
韓国金融研究院の姜三模(カン・サンモ)研究委員は「現時点で政府はドル安という世界的な大勢に逆わない水準で、速度調節のための介入に止まらなければならない」とし「無理に為替防御に乗り出して、一瞬で為替レートが暴落した場合、外国為替市場が撹乱して各輸出企業も大規模の為替差損を被ることになる」と指摘した。
朴重鍱 高其呈 sanjuck@donga.com koh@donga.com