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[オピニオン]理工系が国家の競争力

Posted July. 10, 2003 22:25,   

中国は、世界で理工系出身を最も優遇している国だ。現在、中国を率いる党政治局の常務委員9人全員が理工系出身だ。ふと思いつくだけでも、胡錦濤国家主席が清華大学の数理工程学部を、江沢民軍事委員会主席は上海交通大の機械電気学部を、それぞれ卒業している。そのほかに、曽慶紅副主席は北京工業学院の自動制御科を、温家宝首相は北京地質学院の地質鉱山学科を、呉儀副首相は北京石油学院の石油精製科を、それぞれ卒業した。朱鎔基前首相、李鵬元首相も理工系出身だった。米国と旧ソ連に遅れをとっていた技術力を、短期間で追いつくため、1950年代から科学技術の養成を国家のプロジェクトとして進めてきた結果だ。

◆それに対して韓国では、理工系の人材が高官ポストへ進むのは至難のわざだ。02年現在、中央政府省庁の公務員のうち、理工系出身の割合は24.7%にすぎない。しかも、上位のポストへ行けば行くほど、この割合は減る。3級職24%、2級職18.2%、1級職9.7%という統計から分かるように、技術系の高官ポストへの昇進は、ほとんど不可能だと言っても過言ではない。はなはだしきは、技術関連のポストを行政職が占めるケースも稀ではない。ソウル市内にある25の区役所のうち14ヵ所が、技術関連ポストである建設交通局長に、行政職出身を起用している。

◆俗な言い方をすると、出世できる道がないから、人生の勝負を理工系にかける人材が少なくならざるを得ない。理工系を選ぶとしても、その大半が豊かで楽な生活の保障される医大を希望する。地方大学の医学部合格ラインが、ソウル大学の工科よりも高くなったのは、すでに遠い昔の話だ。医大でない理工系に受かれば、休学届けを出して「医大進学のための浪人」の道へ入る。今年、ソウル大の理工系に入学した新入生の中、約70人が再び医大に挑戦するため休学届けを出した。ソウル大・大学院の正規募集で、理科系と工科系はそれぞれ定員の53.7%と64%しか選抜できなかった。基礎科学の心臓部になるべきソウル大の実験室が、空洞化の危機に陥っているのだ。

◆中国が恐ろしいスピードで発展する背景には、実事求是(事実に基づき真理を探究する態度、後漢書から)の原則によって、理論と実技いずれにも強い理工系人材を好んだからといわれている。中国を訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、これに刺激されて9日「理工系出身を国家経営の重要な意思決定に参加できるポストに大挙起用したい」と述べた。

続いて、大統領科学技術諮問会議は10日、05年から行政試験(公務員試験)の半分を理工系出身から選び、4級職以上の公務員の選抜には技術職任用の割当制を導入すると発表した。中国に比べて遅れているものの、政府レベルの理工系育成策が切実だ。韓国の未来は結局、理工系人材の競争力次第だからだ。

金尚永(キム・サンヨン)論説委員 youngkim@donga.com