またしても、安全不感症による列車脱線事故が発生した。
30日午後1時45分頃、大田市中区五柳洞(テジョンシチュング、オリュドン)の鶏龍(ケリョン)陸橋で、鉄骨長さ36m、重さ10tのI型鉄製ビーム4個が20m下の湖南(ホナム)線の線路上に落下した。
ちょうどこの場所に向かって進入していたソウル発木浦(モクポ)行きのセマウル号(機関士ソン・サンフン氏、36)が鉄製ビームと衝突し、機関車両と7、6、5、4号の4つの車両が脱線した。
事故が起こった陸橋は、95年に危険陸橋に指定され特別に管理されてきたが、撤去作業中に安全装置を怠って、このような鉄製ビームの落下事故が発生したことがわかった。
▲事故発生〓鉄製ビームは、列車が到着する直前に落下し、列車は線路上に落ちた鉄製ビームに正面衝突して脱線した。
事故当時、列車には乗客178人が乗っており、乗客の金ヨンデさん(81、全羅南道木浦市モクフ洞)ら32人が負傷し、近くの乙支(ウルジ)大学病院やソン病院、忠南(チュンナム)大学病院などで治療を受けている。
また、列車が脱線して6号車から火災が発生したが、乗客が迅速に非難して大きな被害を防ぐことができた。この列車は、午後12時5分にソウル駅を出発し、午後4時38分に木浦駅に到着する予定だった。
乗客の金スルギさん(51、光州西区雙村洞)は「西大田駅に到着するというアナウンスが流れた瞬間『ガーン』という音とともに列車が右に脱線した。列車が駅に到着するために速度を落としていたので、大惨事を防ぐことができた」と話した。
この事故で、湖南線の上下線の運行が夜遅くまで全面不通となった。
▲事故の原因〓陸橋の施工会社である(株)コーロン建設は、6月2日から6日まで、陸橋の上板の鉄製ビームを撤去する予定で、同日このビームを支えていた「X」字の鉄製支持台の一部を撤去していた。 警察は、支持台撤去のために上板が崩れたと見ている。
鉄道庁の金ホギュン調査課長は、「陸橋上板の撤去工事の方法が不十分で、急に上板が落下したと見ている」と述べ、施工の不備を提起した。
一方、大田市は鋼管や合板、安全ネットで陸橋の両面に落下物防止施設を設置していたが、これはコンクリートなどの軽い落下物防止用であり、10tの重さの鉄製ビーム落下事故に対しては、対策を立てていなかった。警察は、現場の工事関係者や大田市の関係者を呼んで、正確な事故の経緯を調査する方針だ。
▲鶏龍陸橋の撤去作業〓鶏龍陸橋は、長さ260m、上下4車線で81年に建設された。95年の安全診断の結果「05年以降、使用不可能」と判定され、特別に管理されてきた。
大田市は、上下4車線のこの陸橋がボトルネック現象を誘発するため、地下鉄1号線の工事と平行して上下6車線に確張するために先月10日から撤去作業を行なっており、現在約3割がた工事が進んでいた。
李基鎭 doyoce@donga.com mhjee@donga.com