盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領が、韓米連合軍司令部を訪問したのはいろいろな面で大きな意味を持つ。中でも、韓米同盟関係と在韓米軍を重視するという意思を行動で示すことになり、盧次期大統領の対米観をめぐる不必要な誤解を払拭するのに大いに役立つことだろう。盧次期大統領がケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)に、在韓米軍の必要性を認めるとともに「反米主義者は極めて少数」と強調したのに続き、2日ぶりに韓米同盟の重要性を行動で示したことで、真意を十分伝えたと言えよう。
米軍側も、国家元首に対して敬意を示して行う礼砲21発を発射し、さらに詳細なブリーフィングを行うなど盧次期大統領の訪問を手厚く礼遇した。史上初めて行われた次期韓国大統領の米軍部隊への訪問が、在韓米軍たちにも少なからぬ励ましとなったに違いない。
盧次期大統領の歩み寄りは、米政府と米国人にも注目の対象になるだろう。「反米でも、いいのではないか」という発言などで、米国人が盧次期大統領に対して抱いていた危惧と不安を払拭するきっかけになることを期待する。米軍をみずから訪れ励ます盧次期大統領を見て、胸をなで下ろす国民も少なくない。
盧次期大統領の米軍訪問は時期的に適切だった。在韓米軍は、最近、米マスコミが持続的に慎重に取り上げる懸案だ。韓国の世論を無視して一方的に米軍撤退を主張する一部の米国人の動きにもブレーキをかけるものと期待される。北朝鮮による核危機の中で、在韓米軍の撤退を主張することは決して望ましくない。
ただでさえ、北朝鮮は反米感情と在韓米軍の撤退の問題を、韓米関係を悪くさせるための好材料に使っている。韓米間の誤解と不安を解消し、同盟関係を強固にすることは核問題をうまく解決する近道でもある。
韓国人の米国への移民100周年、また、同盟50周年を迎える韓米関係は、盧次期大統領が守るべき次期政権の外交の核心軸だ。盧次期大統領の米軍訪問が反米感情の拡散を防ぎ、両国の葛藤による経済的、政治的不安を解消する転換点になることを期待する。