
「大便をよくすること」は、よく食べてよく寝ることとともに、健康の3大指標と呼ばれているほど重要だ。最近は、お手洗いを清潔にする運動が盛んに繰り広げられ、不潔に思われていたトイレがくつろいでで「用」を満たせる空間に変わりつつある。日常に追われる現代人も一度は自分の排便習慣を省みるべきだろう。健康な排便習慣は、現代人の病気といわれる「痔」「便秘」などの予防に大きく貢献する。
▲健康な排便習慣〓毎日決まった時間にトイレに入る習慣を身につけるよう努力する。なるべく朝食後に排便した方が良い。人体は食後に胃袋が膨らみ大腸運動が増加し、トイレに入りたいというシグナルが発信するからだ。
トイレに入っても大便が出ないのなら、毎日決まった時間に5分ずつ便器に座っている練習をすれば、その時間に大便が出るようになる。しかし、あまりに「強迫的」に決まった時間に大小便をみるのは避ける。決まった時間に出そうとして大小便を我慢すると、大便の場合は便秘を、小便の場合はぼうこう炎を起こす可能性があるので、大小便はトイレに行きたくなったときすぐに解決する習慣を先に身につけるべきだ。
排便時間は5〜10分以内とする。排便時間が長くかかると肛門周囲の血管に血がたまり、血管が膨らむ。この状態が長く続くと痔の一種である「痔核」に発展する。
大腸肛門専門病院のデハン病院で、最近、痔の症状がある成人200人あまりとそうでない成人200人あまりを対象にトイレ利用時間を調べた。その結果、10分以上トイレを利用する人のうち、痔の症状を持っている成人は32%で、そうでない人のなかでは8%だった。
▲排便関連運動〓座ったり仰向けになって腹部マッサージをすれば、腸の運動を助け、便秘の予防にもなる。右側の下腹から左側の下腹まで、時計の方向に腹に痛みを感じるほど手で押さえながらもむ。一度で10分ずつ1日2回程度する。最初は弱くもんで、段々力を入れてもむ。下腹に固くなっているものがなくなるまで続ける。
痔の予防体操では、肛門をつぼめて腹の上の方に引っ張る運動がある。排便中や排便後に練習すれば、押し出された肛門のクッション組織が簡単に元の位置に戻る。肛門をつぼめて上の方に引っ張る運動を10回程度繰り返す。
また、汗が出るほど全身運動を行うのも腸の運動に役立つ。体の中の老廃物や毒素は腸機能を悪くするので、運動を通じてこれらを排出する。運動は便がよく出るようにする腸の運動を増加させる。
▲肛門を清潔に〓40度程度の湯に5〜10分間肛門を入浴する腰湯をする。腰湯は△肛門の括約筋を緩め△肛門周囲を清潔にし△血行を促進させ、痛みや炎症を改善してくれる△他の肛門疾患も予防できる。
肛門周囲に出血があるか、腫れたり痛みがある人には、腰湯が必ず必要だ。初期の痔患者は腰湯を定期的に続けると、症状の改善に効果がある。
(アドバイス=デハン病院のカン・ユンシク院長、ハンソル病院の李ドングン院長、南楊州(ナムヤンジュ)ヤン病院のヤン・ヒョンギュ院長)
李眞漢 likeday@donga.com