「今でも歩いていると、なんともないのに鼻血が出るのよ。慰安婦生活のとき、かれこれと理由をつけられ犬みたいに殴られていたためなんだよ。幼すぎて性関係ができないという理由で、成長してからは性関係をはばかるという理由で…」
13日午前11時、元従軍慰安婦たち10人が共同生活している京畿道広州市敗村面(キョンギド・クァンジュシ・テチョンミョン)ウォンダン里の「ナヌムの家」(分かち合いの家、の意)。姉妹大学の大田・漢南(ハンナム)大学の紹介で施設を訪問した名古屋の南山大学と沖縄国際大学の学生25人は、小学生のとき就職させてやると誘われて日本に渡り従軍慰安婦として連れて行かれたというカン某ハルモニ(お婆さん、75)の証言に声も出さずに涙をこぼした。
カンさんを含めて2人のハルモニの証言は1時間半で終わった。一部の日本人学生たちは頭をうなだれたまま独り言のように小さい声で「すみません」と言っていた。
「きょう聞いた話を日本に帰ってからも忘れずに伝えます。ハルモニの皆さん元気で過ごしてください」(佐々木ゆう・21・南山大学)
「ハルモニの証言は実に想像を絶するものです。女性の立場から見て、あんまりにも苦しくて悲しくて…」(富山ゆきの・21・女・沖縄国際大学)
「従軍慰安婦について話を聞くのは初めてです。これから日本の歴史とともに韓国の歴史をきちんと勉強してみたいです」(長谷川さえ・23・沖縄国際大学)
日本の学生たちは、自分たちが感じた悲しみと誓いを込めた内容をメモにして元慰安婦ハルモニたちに渡しながら慰めた。
この日の訪問は、漢南大学が日本の姉妹校の学生たちを招請して8月いっぱい実施している「韓国文化体験」の一環として行われたものだ。
日本の学生たちは、ナヌムの家訪問に先立って12日午前、漢南大学の大学教会で大田に住んでいる元慰安婦ハルモニの金某さん(76)ら2人から恨みでつなぎ合わせられた慰安婦の生話を聞いた。教会は涙の海と化した。
山本けいこ(21・沖縄国際大学)は、「2日間の経験は一生忘れられないと思う。国に帰ってこのような事実を周りに知らせ、韓日両国が発展的に解決できるよう努力したい」と語った。
政府に登録された元従軍慰安婦は207人。このうち69人が亡くなり、138人が生存している。しかし、6月、慶尚北道大邱(キョンサブクト・テグ)の徐凰任(ソ・ボンイム、80)さんが死亡するなど、今年だけで月に1人の割合で計7人が死亡した。
ソウル江西区登村洞(カンソグ・トゥンチョンドン)に住む67歳の金銀礼(キム・ウンレ)さんが最年少の生存者であることを考え合わせると、時間は彼女たちの側に立っていない。
政府は、元慰安婦問題で「日本の公式謝罪と賠償」を最先決の課題としていると明らかにしているが、日本との交渉は別段進展がない。
このため、生存している元慰安婦ハルモニたちは、「私たちが皆死ぬのを待っているのか」と言っている。
韓国挺身隊問題対策協議会の尹美香(ユン・ミヒャン)事務局長は、「ハルモニたちは死ぬ前に日本が心から謝罪する姿を一度でも見届けたいとしている。賠償だけで慰安婦問題の解決を図ろうとするのは、ハルモニたちの名誉を二度も汚すことになる」と話した。
金善宇 mhjee@donga.com sublime@donga.com