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フランス国民「民主主義の危機」に驚がく

Posted April. 23, 2002 09:43,   

▲衝撃的な第1回投票〓5月5日の決戦投票では、シラク大統領が圧倒的な支持(78%対22%)でルペン党首に勝つとの世論調査が出ているが、いわゆる「自由」「平等」「博愛」を国家理念としている国で、極右人種差別主義者の決戦投票への進出による衝撃は大きい。

左派の代表格の社会党は、69年以降30余年ぶりに初めて決戦投票に候補が上がらず、30年間続いてきた左右派の決戦構図が崩れた。

フランス内務省は22日、国内投票分の開票結果、シラク大統領が19.67%の得票率で1位、ルペン党首が17.02%で2位となり、ジョスパン首相は16.07%の得票で3位にとどまったと発表した。

ルペン党首は、「努力と忍耐、神様の助けですべての障害を乗り越えた」と感想を述べ、シラク大統領は「共和国の価値が危機に陥った」とし、決戦投票で自分への支持を訴えた。

▲なぜルペンなのか〓今月初め、10%前後だったルペン党首の第1回投票支持率は、13日前後に13−14%に跳ね上がったが、19日の最後の世論調査結果は14%くらいだった。

18%だったジョスパン首相を2日で乗り越えるのは厳しい数字だったルペン氏が17%を超える得票率を記録したのは、最後まで40%にのぼっていた浮動層の動きによるものとみられる。

95年大統領選挙の再版であるシラク大統領とジョスパン首相の対決構図に飽きたのと、2人の政治的見解が同じこと、シラク大統領の腐敗疑惑とジョスパン首相のうその前歴などに対する不満が、浮動層の形成として現れたとみられる。

さらに、景気低迷と、9月11日の米テロ事件、国内でのテロ率の増加による有権者の不安心理を極右のルペン党首が巧妙に突っ込み、今回の大統領選挙の最も大きな焦点である治安問題で、ルペン党首が移民反対と死刑制の復活など強硬な公約を訴えたのも効を奏したということ。

▲フランス左派の危機?〓ジョスパン首相の社会党の惨敗はもちろん、ルペン党首と3位争いを繰り広げるだろうと予想されていた極左のアルレート労働者闘争党候補も6%くらいの支持にとどまった。また選挙のたびに5%以上の支持率を維持していた共産党のロベル候補も3.5%台にとどまるなど、左派の不振が目立った。ルペン党首は、決戦進出への感想を「なにより共産党が落ちてうれしい」と毒舌をふるった。

大統領選挙に続いて行われる6月の総選挙で、フランス左派が集結して雪辱できるかどうかにフランス左派の運命がかかっている。90年代後半、左派一色だった西ヨーロッパの政権勢力は、2000年からオーストリア、スペイン、イタリア、ノルウェー、デンマーク、ポルトガルに続き、今回フランスまで右派の勢いが強くなり、右派の風がさらに強くなることになった。



朴濟均 phark@donga.com