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北のミサイル挑発、昨年2月に登場した新型兵器、「戦力化」か

北のミサイル挑発、昨年2月に登場した新型兵器、「戦力化」か

Posted May. 13, 2019 08:33,   

Updated May. 13, 2019 09:15

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国防部と国家情報院は、北朝鮮が4日と9日に発射した短距離ミサイルが「弾道ミサイル」と明示していない。これまで目にしなかった新型兵器なので、さらに分析が必要ということだ。

しかし軍内外では、このミサイルを昨年2月の北朝鮮軍創建70年記念式で初めて公開された新型固体燃料弾道ミサイルと見ているようだ。韓米情報当局は、このミサイルを「KN-21」と呼び、開発・配備の動きを注視してきたという。北朝鮮は当時、「原型(試作品)」を公開した後、約1年間、誘導装置や推進体などを改良して信頼度を高め、軌道型車両まで備えて、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が見る中、試験・実戦発射を強行したという。

軍当局者は、「正恩氏が数日を置いて同じミサイルの発射現場を参観したのは極めて異例」とし、「正恩氏がこのミサイルの具体的な戦力化時期などについて指針を下したとみえる」と話した。南北対話と米朝非核化交渉が行われているにもかかわらず、正恩氏が新型短距離弾道ミサイルの開発と戦力化を指示し、今回最終点検を終えた可能性が高いということだ。

これに先立ち、国防部が今年1月中旬に公開した「2018国防白書」にも、北朝鮮が発射したミサイルと外観が類似したミサイルの模型の絵が載っている。本体の中間部と下段部にあるミサイルを支える連結装置や最後の部分の推進体の方向調整翼が、今回試験発射された「北朝鮮版イスカンデル」とほぼ同一だ。軍が以前から新型短距離弾道ミサイルの存在と動きに注目してきたことを裏づける。白書は、このミサイルを「短距離弾道ミサイル(SRBM)」に分類し、「新型(固体)」と指摘した。軍消息筋は、「軍内部では新型固体弾道ミサイルという心証だが、政府の顔色をうかがって公式化できない様子だ」と話した。

軍内外では、最近の北朝鮮の新型兵器(ミサイル・自走砲など)挑発の動きを見て、次も実体が公開されていないミサイルの奇襲示威があり得るという見方が出ている。大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星(ファソン)13」や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「北極星3」などこれまで発射されていない新型固体中長距離ミサイルの挑発可能性も排除できない。これに先立ち、北朝鮮の労働新聞は2017年に、正恩氏が国防科学院化学材料研究室を訪問した写真を公開し、2つのミサイルの開発事実を対外に公表したことがある。

しかし、これらのミサイルを実際に試験発射すれば、南北対話はもとより米朝非核化交渉の破局的事態が避けられないため、北朝鮮が緊張を高めるために挑発直前の「ふり」だけしているという見方が今のところ多い。移動式発射台(TEL)の奇襲展開など発射準備の様子を米偵察衛星が捉えさせ、韓米両国に圧力をかけるということだ。


尹相虎 ysh1005@donga.com