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北朝鮮、「敵対行為停止区域」の無効化を狙うのか

北朝鮮、「敵対行為停止区域」の無効化を狙うのか

Posted June. 08, 2020 09:28,   

Updated June. 08, 2020 09:58

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北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が警告した南北軍事合意破棄の後続措置が「陸海空敵対行為停止区域(陸海空緩衝区域)」の無効化を狙った同時多発的武力示威になるという見方が、軍内外から出ている。陸海空緩衝区域は偶発的な衝突防止のために設けられ、南北軍事合意の核心内容だ。これを廃棄する軍事的措置や挑発行為を連鎖的に行って韓国軍の対応を誘導し、緊張を高める可能性があるということだ。

まず、合意の最大の成果とされる非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)の示範撤収を撤回する可能性が提起される。2018年11月に、北朝鮮側は爆破方式で、韓国側は掘削機による撤去方式で各10ヵ所のGPを破壊した。双方はその成果を評価し、残りのすべてのGPの撤収に関する協議を行う計画だったが、進展がない状態だ。北朝鮮軍兵力を軍事境界線(MDL)に接近させたり、MDLから5キロ区間内の砲兵射撃訓練を禁止した合意条項を破る武力示威も予想される。
 
海上では、海岸砲を西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)のすぐ前や南に向けて撃つ可能性が提起されている。東海(トンヘ・日本海)、西海のNLL緩衝水域(東海80キロ、西海135キロ)の砲射撃禁止規定に反する挑発行為であり、韓国軍も相応措置に出る状況になりかねない。軍当局者は、「NLLが『最大の火薬庫』であることを再確認させ、韓国側が望む西海海上平和水域や示範的共同漁労区域は水泡に帰したというメッセージを発信する可能性がある」と見通した。

金与正氏が合意破棄の口実とした北朝鮮へのビラを狙って高射機関銃(14.5ミリ機関銃)を撃ったり、ミグ29などの戦闘機を戦術措置線(TAL)を越えて開城(ケソン)上空まで南下させ、威嚇飛行を強行することも予想される。戦術措置線はMDLから北に20~50キロ離れた上空に設定された仮想線で、北朝鮮の戦闘機がこれを越えた場合、韓国軍の戦闘機が直ちに対応出撃することになっている。

軍関係者は、「北朝鮮は挑発と武力示威でもたらされた緊張の責任を韓国側に転嫁し、合意破棄を正当化するシナリオを想定している」と指摘した。

ユン?サンホ記者 ysh1005@donga.com