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「実居住義務廃止」法案否決で入居を控えた4万世帯が混乱

「実居住義務廃止」法案否決で入居を控えた4万世帯が混乱

Posted December. 11, 2023 08:48,   

Updated December. 11, 2023 08:48

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2021年に仁川(インチョン)で分譲価格上限制が適用され供給されたA団地。当時、3.3平方メートル当たりの分譲価格は1100万ウォン台で、近隣のB団地の価格(3.3平方メートル当たり1600万ウォン台)より安く、需要が集中した。しかし、来年4月頃の入居を控えている最近の雰囲気は正反対だ。景気低迷でマンション価格の下落が続き、B団地の価格が1100万ウォン台に下がったのだ。入居する頃は、A団地の住宅価格が分譲価格を割り込む可能性が高いという意味だ。

最近、A団地の住民の間では、「実居住義務が廃止されなければ、家を適正価格で売ることができ、かえって良い」という話が出ている。実居住義務を違反すれば、韓国土地住宅公社(LH)に住宅を売らなければならない。この時、売買価格は分譲価格に定期預金の利息を加えた価格と定められている。分譲価格に相場差益まで保障されることになる。周辺の公認仲介事務所の関係者は、「周辺相場があまりにも下がり、居住義務を破ってLHに売って損害を防ぐという話をする住民が多くいる」と伝えた。

分譲住宅の実居住義務を廃止する案が12月の通常国会で可決されず、市場に大きな混乱を招いている。このままでは、今年1月の政府発表を信じて分譲を受けた人たちは、突然数億ウォンの残金を用意したり、契約金を放棄して家を手放さなければならない。A団地のように実居住義務を故意に破ろうとする動きまで出ている。

住宅価格の上昇期に導入された近視眼的規制が市場に混乱を招いているにもかかわらず、政府と国会はこれに背を向けているという指摘が提起されている。

10日、LHによると、今年10月まで実居住義務の違反による売却規定を問い合わせる相談が約550件あった。LHの関係者は、「仁川(インチョン)など、住宅価格の下落傾向がはっきりしていて、分譲価格より相場が下がった地域で、LHに対していくらで売ることができるかを問い合わせる電話が多い」と明らかにした。実居住義務とは、首都圏の分譲価格上限制マンションの当選者は、2~5年間分譲住宅に実際居住するようにする制度で、期間内に移住すれば該当住宅をLHに売らなければならない。これを違反すれば、懲役1年以下または罰金1000万ウォン以下に処される。

国土交通部によると、実居住義務の適用を受ける首都圏のマンションは、先月基準で計72団地、4万7595世帯に上る。ソウルは9つの団地(7647戸)、京畿道(キョンギド)は50団地(3万221戸)、仁川(インチョン)は13団地(9727戸)などだ。約1万2000戸規模のソウル江東区(カンドング)のオリンピックパークフォレオン(遁村住公の再建築)も含まれる。

漢陽(ハンヤン)大学都市工学科のイ・チャンム教授は、「実居住義務は、市場低迷の可能性を考慮しないまま作った制度なので弱点が多い」とし、「ソウルなどの来年の入居物量が激減するだけに、分譲価格上限制マンションが伝貰(チョンセ=住宅保証金)・売買の物件として出てくるよう、規制緩和を急がなければならない」と指摘した。


チョン・スング記者 チェ・ドンス記者 soon9@donga.com