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20代が仕事を求めて続々上京、60万人が首都圏に

20代が仕事を求めて続々上京、60万人が首都圏に

Posted November. 08, 2023 08:22,   

Updated November. 08, 2023 08:22

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忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)で生まれ育ったパクさん(28)は今年2月、何の縁もないソウルにワンルームを探して引っ越してきた。清州でデザートカフェを開きたかったが、地方では売上に限界があると判断し、ソウルでオープンした。パクさんは、「ソウルに来るために、清州のカフェでアルバイトを3つもこなしながらお金を貯めた。ソウルは人口自体があまりにも多く、若者の大半がソウルにいるので、是が非でも上京して商売をしなければならないと思った」と話した。

パクさんのように、非首都圏を離れてソウルと京畿道(キョンギド)・仁川市(インチョンシ)などの首都圏に移住した20代が、この10年間で60万人に迫っていることが分かった。地方を離れた若者は、10年前の4万人台から最近は6万~8万人に増えるなど「首都圏ラッシュ」のペースも早まっている様子だ。

●ソウル移住の20代が10年間で2.6倍増

7日、統計庁によると、2013年から2022年まで非首都圏からソウル・京畿道・仁川市の首都圏に純流入した20代は59万1000人だった。同期間、20代を除いた残りの年齢帯で、31万2000人が首都圏から非首都圏に純流出したのとは対照的だ。純流入の人口とは、転入人口から転出人口を差し引いた数値で、純流出はその逆となる。

若者が首都圏に集中するペースも、さらに早まっている。2013年は4万5000人だった20代の首都圏の純流入人口は、2020年は8万1000人へと2倍近く増えた。昨年は、これより減った6万4000人だった。特に地方からソウルに移住した若者は、10年間で2.6倍に増えた。

非首都圏の中で、20代が最も多く抜け出したのは慶尚南道(キョンサンナムド)だった。10年間で計10万5000人が去った。続いて慶尚北道(キョンサンブクド、マイナス9万人)、全羅南道(チョルラナムド)・全羅北道(チョルラブクド、それぞれマイナス7万6000人)、大邱(テグ、マイナス6万6000人)などの順だった。非首都圏では、世宗(セジョン)市が唯一20代が純流入(3万4000人)したが、これは世宗市が2012年に特別自治市として発足し、本格的に開発された影響が大きい。

●首都圏の給与は非首都圏より49万ウォン多い

若者たちが、地方を離れてソウルなどに向かう主な理由は働き口だ。実際、昨年、全国17市道のうち20代の雇用率が最も高い地域は仁川(66.5%)で、その次は京畿道(64.9%)だった。ソウルの20代の雇用率(63.0%)も、全国で5番目に高い。いずれも全国平均値(60.4%)を上回る数値で、相対的に首都圏で働き口を得るのが容易だからだ。一方、世宗(49.1%)、光州(クァンジュ、50.4%)、全羅北道(51.2%)、釜山(プサン、53.1%)などの非首都圏の11地域は、20代の雇用率が平均値を下回った。首都圏との雇用率の格差は、最大で17.4%ポイントだった。

雇用の量だけでなく、質も地域別にばらつきが大きかった。韓国銀行によると、昨年、首都圏の労働者は月平均393万6000ウォンを受け取った一方、非首都圏の労働者は344万8000ウォンを受け取った。首都圏で働けば、平均48万8000ウォンをさらに稼ぐことになる。働き口だけでなく、文化・医療などの様々なインフラの違いも若者が地方を離れる理由に挙げられる。

専門家たちは、若者の首都圏流出で非首都圏は労働力が不足し、成長潜在力が傷つけられると指摘する。首都圏でも、人口が密集して競争が激しくなり、結婚・出産が大きく萎縮する恐れがある。韓国銀行のチョン・ミンス地域経済調査チーム次長は、「地域間の期待所得の差、文化・医療サービスの差などを考慮すれば、若年層の移動は自然な現象だ」とし、「非首都圏拠点都市を中心とした現実的な地域均衡発展政策が必要だ」と指摘した。


世宗市=ソン・ヘミ記者 1am@donga.com