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北朝鮮、韓米演習に合わせて「核戦争兵器」稼働訓練をした

北朝鮮、韓米演習に合わせて「核戦争兵器」稼働訓練をした

Posted March. 21, 2023 08:22,   

Updated March. 21, 2023 08:22

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北朝鮮が18、19日に戦術核運用部隊の「核反撃仮想総合戦術訓練」を実施したと、北朝鮮メディアが20日、報じた。訓練初日には、核攻撃命令の下達と受付、核兵器の取り扱い、稼働手順に対する点検を行い、2日目には模擬核弾頭を搭載した戦術弾道ミサイルを発射し、800キロの距離の目標上空800メートルで空中爆発させたと明らかにした。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、「いつでも迅速かつ正確に稼働できる核攻撃態勢を完備してこそ、戦争抑止の戦略的使命を果たすことができる」と述べた。

北朝鮮の主張通りなら、戦術核兵器能力の技術的高度化と合わせて、すでに実戦核攻撃態勢を整え、稼働段階に入ったということになる。一見すると、核ミサイルを目標距離の上空まで飛ばし、特定の高度で正確に爆発させる起爆操作技術の確保を誇示した点が際立つものの、その前日に実施したという「核攻撃指揮体系管理演習」が特に注目される理由だ。様々な戦争シナリオによって核攻撃命令の伝達から核兵器の結合、発射まで独自の核指揮統制(NC2)体系を構築し、本格的な手順習得訓練を行ったということだからだ。

北朝鮮は昨年9月、指導部が危険にさらされたり、戦争情勢が不利になったりしても核攻撃を実行するという内容の「国家核武力政策」を法令化した。いつでも恣意的な判断によって先制的に核兵器を使用し、さらには指揮部の有事には自動的に核兵器発射が可能とした危険極まりない「終末兵器(Doomsday Machine)」の作動を事実上制度化したのだ。そのため、「任意の時、不意の状況でも」迅速に作動する北朝鮮の核攻撃体系に、誤った判断や事故による偶発的な核戦争を防ぐ安全装置が適切に装備されているはずがない。

このように核兵器の驚異的な威力だけを信じる北朝鮮の「核狂信」が韓半島を危機に追い込むことが懸念される。北朝鮮は、今回の核攻撃態勢訓練を大規模な韓米合同軍事演習「フリーダムシールド(FS)」期間中に実施した。これまで米国の戦略兵器の展開や韓米合同軍事演習中は緊張して息を潜めていた北朝鮮だが、今回は「死の白鳥」と呼ばれる戦略爆撃機B1Bが韓半島の作戦区域に入る直前に弾道ミサイルを発射するという大胆な挑発を行った。韓米は、より緻密な監視網と圧倒的な報復能力を備え、正恩氏の無謀な賭けがもたらす終末的な結果に対して断固として警告しなければならない。