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卒業アルバムから消された子ども 本当に友人たちのためなのか 

卒業アルバムから消された子ども 本当に友人たちのためなのか 

Posted June. 06, 2026 09:05,   

Updated June. 06, 2026 09:05


運動場に立ち、いたずらっぽいしぐさを見せる女子児童たちを写した写真が2枚ある。1枚には5人が写っているが、もう1枚には4人しかいない。1人の児童の姿が、その影までも含めて跡形もなく消されているのだ。背景のフェンスや木々、地面の砂まで精巧に復元し、その児童が立っていた空間をコンピューターグラフィックス(CG)で埋めた加工写真である。

2023年10月、いじめ被害を訴えた末に亡くなった、釜山(プサン)のある小学校に通っていた小学6年生のチョさんの話である。翌2024年2月、同級生約60人に配布された卒業アルバムから、チョさんの写真は削除された。遺族には「特別な配慮」として、チョさんが掲載されたアルバムが別途手渡された。学校側は、ほかの児童がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するのを防ぐための措置だったと説明した。しかし遺族は、「被害者の痕跡を消し去る二次加害だ」として、国家人権委員会に救済を申し立てた。今年5月、人権委は「人権侵害と断定するのは難しい」として、この申し立てを棄却した。

ところが、人権委は棄却決定文(2348字)よりも長い2772字に及ぶ検討意見を付し、学校側の対応が不十分だったと指摘した。卒業アルバムは公式な記録物であると同時に、児童たちの思い出を収める象徴的な資料であるにもかかわらず、別版を作成する過程で十分な議論が行われず、遺族に対する説明も不十分だったというのである。特に人権委は、「亡くなった児童を追悼し、哀悼する方法について考える機会を持つことは、児童たちの情緒的な回復や共同体としての癒やしという点でも意義がある」とし、釜山市教育庁に対しても、関連する指針を整備するよう勧告した。

なぜ異例ともいえる長文の意見を付したのか気になった。釜山人権事務所の担当調査官は、「陳情書を受理した後、学校側の対応は適切だったのか、関連マニュアルは整備されているのかと疑問が次々に湧いてきた」とし、「『棄却』の一言で終わらせるべきではないと判断し、やや長めの意見を付すことになった」と明らかにした。また、「児童を無事に卒業させることは国家の役割だ。しかし今後も死亡などさまざまな理由で卒業できない児童が生じた場合、現場の学校が参考にできる基準が必要だと考えた」と説明した。

米自殺予防財団(AFSP)と自殺予防リソースセンター(SPRC)がまとめた『学校のための自殺事案事後対応ガイド』によると、亡くなった児童を卒業生徒をアルバムから一方的に除外することは避けるべき対応とされている。問題から目を背けるような回避的対応は、残された児童たちのトラウマをかえって悪化させる恐れがあるためだ。その代わりに、亡くなった児童生徒の写真の下に没年を併記し、必要に応じて「あなたを忘れません。そして私たちは、メンタルヘルスの問題や自殺をめぐる偏見をなくすために努力していきます」といったメッセージを添えることが推奨されている。

昨年、全国で自ら命を絶った小中高校生は243人に上った。2021年の197人以降、毎年増加している。しかし、教育部の「学校危機対応指針」は、依然として事案発生直後の短期的な心理支援に重点を置くにとどまっている。明確な指針がないため、学校は「友人たちのため」として会議録すら残さないまま写真の中の児童を削除し、母親は娘の遺影を抱えて壇上に上がり、たった一人で卒業式に臨むことになる。今こそ、遺族と残された友人たちの双方を癒やすための、あるべき別れの形について社会全体で議論すべきではないだろうか。