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「小鹿島の二人の天使」の粉ミルク缶とパン焼き型 40年の献身今に伝える

「小鹿島の二人の天使」の粉ミルク缶とパン焼き型 40年の献身今に伝える

Posted June. 05, 2026 08:59,   

Updated June. 05, 2026 08:59


「小鹿(ソロク)島はマーガレットの人生そのものでした。帰国後に老人ホームで暮らしていた時も、小鹿島の話をするのが大好きでした。看護に使った品々が韓国で予備文化遺産に選ばれたことを、もし本人が知っていたら……。とても穏やかで控えめな人でしたが、きっと温かく応えてくれたと思います」

「小鹿島の天使」と呼ばれたマーガレット・ピサレクさん(1935~2023年)の弟ノルベルトさん(85)は1日、亡き姉に代わって東亜(トンア)日報の取材にこう語った。韓国国家遺産庁は昨年11月、全羅南道高興郡(チョルラナムド・コフングン)小鹿島で40年以上にわたりハンセン病患者の看護に尽くしたオーストリア人看護師のマーガレット・ピサレクさんとマリアンヌ・ストガーさん(92)が使用した治療・介護器具を予備文化遺産に選定した。先月には関連証書が社団法人「マリアンヌとマーガレット」を通じて、マリアンヌ氏とマーガレット氏の遺族に手渡された。

「小鹿島のマリアンヌとマーガレットの治療・介護器具」の名称で選定された品々には、パン焼き型や粉ミルク缶などが含まれていた。二人は患者の誕生日になると、故郷オーストリアの祝い菓子「グーゲルフップフ(Gugelhopf)」を焼いて祝った。真ん中に穴の開いた独特の形から、患者たちはこれを「おまるパン」と呼んでいたという。マリアンヌ・マーガレット顕彰事業推進委員会のキム・ヨンジュン委員長によると、マリアンヌさんは先月、証書を受け取った後、「みんなで誕生日を祝えるよう、ろうそくを立てられるグーゲルフップフを作った。患者たちの喜ぶ姿を見るたびに、私の方がより大きな愛と感謝を感じた」と振り返った。

ドイツ製のパン焼き型には、両脇にやや不格好な取っ手が取り付けられている。頻繁に大量のグーゲルフップフを焼かなければならなかった二人が、使いやすくするため自ら付けたものだ。国家遺産庁近現代遺産課は、「当時はハンセン病患者の居住区域と病院宿舎が厳格に分離されていたにもかかわらず、二人は患者を自宅に招き、グーゲルフップフを切り分けながら誕生日を祝った」と説明した。

洗面器や爪切り、注射器など、治療と介護に使われた68点の器具も保存対象の予備文化遺産に選ばれた。これらは主に、マリアンヌとマーガレットの頭文字を取って「M治療室」と呼ばれた小児治療室で使用されていた。ソン・ギヨン氏の著書「小鹿島のマリアンヌとマーガレット」によると、二人は毎朝早くやかんで粉ミルクを温めて病棟を回り、ハンセン病患者の手足を洗面器の湯に浸した後、手足の爪を切ってあげていたという。国家遺産庁は、「劣悪な医療環境と社会的偏見の中でも、患者を尊厳ある存在として接した、人権を重視する介護の象徴的な事例だ」と評価している。

選定された品々は高興の「マリアンヌとマーガレット記念館」などで保存・管理されるほか、10月にはウィーン韓国文化院やインスブルック・カトリック婦人会などで複製品が展示される予定だ。予備文化遺産は、制作から50年未満の文化遺産のうち、近現代の歴史や文化を代表する価値があるものを選定・管理する制度で、昨年初めて10件が一括選定された。今年末ごろには第2次選定結果が発表される見通しだ。


イ・ジウン記者 leemail@donga.com