
三星(サムスン)電子の労働組合が、9日から争議権確保のための賛否投票を始める。組合が投票を前に、今後の解雇や強制的な配置転換の際にストライキ不参加の社員を保護できないとの立場を示し、「ブラックリスト」論争も浮上している。
三星電子労働組合共同闘争本部は、争議権確保のため9日から18日まで全組合員を対象に賛否投票を実施すると、8日明らかにした。組合は争議権を確保すれば、4月の集会を経て5月にゼネストに踏み切る計画だ。三星電子の労使はこれまで賃金交渉を続けてきたが、中央労働委員会の2回目の調整まで不調に終わった。
共同闘争本部は5日、ユーチューブのライブ配信で「会社のために勤務する者がいれば名簿を管理し、今後、組合との協議が必要な強制配置転換や解雇の際に彼らを優先的に案内する」と明らかにした。また、ストライキ期間中に通報センターを運営し、会社側を擁護する人物を通報すれば報奨を与えるとの方針も示した。ストに非協力的な社員に不利益を与えると受け取られかねない発言だ。
共同闘争本部所属のチェ・スンホ超企業労組三星電子支部委員長は、「団体協約によれば、会社は事業上の決定で配置転換や解雇などが必要な場合、50日前に労働者代表と協議しなければならない」とし、「その際、非組合員や会社を手助けした社員を保護できないという趣旨だ」と説明した。通報センターの運営については「合法的な争議を違法に妨害する試みを見極めるためだ」と述べた。
今回の三星電子の労使交渉の核心は、超過利益成果給(OPI)の上限廃止の可否だ。OPIとは、当該年度の業績が目標を上回った場合、超過利益の20%の範囲内で年俸の最大50%まで支給する成果給制度だ。組合はSKハイニックスの事例を挙げ、上限廃止を求めている。しかし会社は将来の投資財源確保や特定事業部の不満懸念などを理由に難しいとの立場だ。会社側は代案として賃上げ率6.2%と自社株20株支給、さらにDS部門の場合は営業利益100兆ウォン達成時にOPI100%を追加支給する案などを提示したが、交渉は決裂した。
三星電子は2024年、全国三星電子労働組合(全三星労組)の主導で初のストライキに踏み切った。当時は生産への支障は表面化しなかったが、現在は状況が異なるとの見方が社内で出ている。業界の関係者は「2024年のスト時、全三星労組の組合員は約3万人規模だった」とし、「現在は3つの労組(超企業労組、全三星労組、三星電子労組同行)を合わせた組合員が約9万人で、全体の半数を超える水準だ」と話した。さらに、組合がゼネストを予告した5月は、第5世代高帯域幅メモリ(HBM)『HBM4』の量産時期と重なるため、実際にストが行われれば影響は小さくないとの見方が出ている。
パク・ジョンミン記者 blick@donga.com






