Go to contents

イスラエル、レーザーでミサイル迎撃「アイアン・ビーム」実戦配備

イスラエル、レーザーでミサイル迎撃「アイアン・ビーム」実戦配備

Posted December. 30, 2025 09:54,   

Updated December. 30, 2025 09:54


イスラエルが10年以上にわたり開発してきた対空防衛システム「アイアン・ビーム」を実戦配備した。敵の無人機(ドローン)だけでなく、ミサイルまで迎撃可能な高出力レーザー兵器が実戦に投入されたのは世界初だと、イスラエルは発表した。

28日、AFP通信によると、イスラエル国防省は空の脅威に対応するため、レーザー対空兵器システム「アイアン・ビーム」を実戦配備したと明らかにした。アイアン・ビームを共同開発した国防省と国営防衛産業企業ラファエルは、イスラエル北部地域でアイアン・ビームを空軍に引き渡した。

アイアン・ビームは射程などの制約はあるものの、革新的な防空兵器と評価されている。迎撃ミサイルの代わりに、出力100キロワット(kW)の高出力レーザービームを照射し、ミサイルやロケット弾、砲弾、ドローンを撃墜できる。近距離から飛来する攻撃兵器の迎撃に特に効果的とされ、同時に押し寄せる複数の空中脅威にも対応できるよう設計されている。レーザーの特性上、発射間隔が短く、初弾で外しても再び迎撃を試みることが可能だ。

費用対効果の面でも高評価を受けている。アイアン・ドームは1発あたり最大5万ドル(約7300万ウォン)かかり、レーダー運用や人員費を考慮すると費用は最大15万ドル(約2億1900万ウォン)にのぼる。一方、アイアン・ビームは1回の発射にかかる電気代が5ドル(約7300ウォン)前後にすぎず、発射回数の制限もなく連続使用が可能だという。

イスラエルは既存の多層ミサイル防空システム△アイアン・ドーム△ダビデスリング△アローにアイアン・ビームを加え、防空能力を補完する方針だ。イラン、パレスチナのハマス、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派反政府勢力など、地域内の親イラン武装組織によるロケット集中攻撃や、弾道ミサイルとドローンを同時に用いるイランの攻撃に対処する。

イスラエルのカッツ国防相は「世界で初めて高出力レーザー迎撃システムが完全な成熟段階に到達し、複数の迎撃を成功させた」とし、「われわれを試す敵は、厳しい代償を支払うことになる」と述べた。6月にイランが大規模なミサイル攻撃を行った際、イスラエルはアイアン・ドームなどを総動員したが、一部ミサイルに防空網を突破され、28人が死亡、軍事・民間インフラが大きな被害を受けた。


チャン・ウンジ記者 jej@donga.com