
豪州シドニー東部のボンダイビーチで14日、ユダヤ教の祝祭「ハヌカ」を祝う行事の最中に発生した銃乱射事件で、犯人2人が親子だったことが分かった。地元捜査当局は、過激派組織「イスラム国(IS)」やイランとの関係の有無を調べている。イスラエルは、豪州政府が事実上、反ユダヤ主義を放置した結果、ユダヤ人へのテロが起きたとして批判した。
AP通信などによると、ボンダイビーチでの銃乱射事件による死亡者は、10歳の少女や87歳の高齢者など計16人となった。犠牲者の中には、ウクライナ出身のホロコースト生存者、アレックス・クレイトマンさんも含まれている。負傷者は40人にのぼり、病院で治療を受けている。
もみ合いの末に犯人から銃を奪い、さらなる被害を防いだ「市民ヒーロー」は、シドニーで果物店を営むアフメド・アル・アフメドさん(43)であることが確認された。シリア出身のイスラム教徒とされ、2人の子どもの父親でもある。犯人制圧の過程で腕と手に銃創を負い、手術を受けて入院している。
警察は、銃撃犯がサジド・アクラム容疑者(50)と息子のナヴィード・アクラム容疑者(24)だと伝えた。パキスタン系とされる。サジド容疑者は現場で警察に射殺され、ナヴィード容疑者は銃創を負い、病院で治療を受けている。事件直後、警察は2人の車から即席爆発装置(IED)2個を発見した。現時点で他の容疑者は確認されていない。
警察は、犯人らがISへの忠誠を誓っていたと見ている。車からは爆発物とともにISの旗2枚が見つかった。特にナヴィード容疑者は、2019年にシドニーで逮捕されたIS関連のテロ計画犯と関係があったことが判明し、豪州情報機関の調査対象となっていた。
ニューサウスウェールズ州のクリス・ミンズ州首相は、サジド容疑者が15年に銃および狩猟免許を取得し、計6丁の合法銃を所持していたと明らかにした。犯人らが豪州国籍かどうかについては「言及できない」とした。アルバニージー首相は同日、銃所持許可期間の制限など、関連規制を強化する方針を示した。米CNNは「豪州は世界で最も厳格な銃規制制度を持つ国の一つだ」と伝えた。
イスラエルは、パレスチナを国家として承認した豪州政府の方針が反ユダヤ主義を助長したと主張している。ネタニヤフ首相は14日の演説で、「反ユダヤ主義は指導者が沈黙すると広がる癌だ」とし、「あなた方(豪州政府)はこの病を放置し、その結果が、今日私たちが目にした恐ろしいユダヤ人攻撃だ」と批判した。トランプ米大統領も同日、「豪州で恐ろしい攻撃が起きた。明白な反ユダヤ主義の攻撃だ」と述べた。
キム・ボラ記者 purple@donga.com






