
全羅南道新安(チョンラナムド・シンアン)の沖合で座礁した旅客船「クイーンジェヌビアⅡ」の一等航海士が、事故当時に携帯電話を見ていて航路を変更できなかったことが明らかになった。船員の不注意による人災が濃厚になる一方、広域海上交通管制センター(VTS)も航路逸脱を事前に警告しなかったことが確認され、大規模惨事につながる恐れがあったとの指摘が出ている。
20日、木浦(モクポ)海洋警察は前日午後8時16分ごろ、乗客・船員267人を乗せたクイーンジェヌビアⅡを座礁させ、乗客約30人にけがを負わせた疑い(業務上重過失致傷)で、一等航海士のパク容疑者(40)と40代のインドネシア人操舵手を緊急逮捕した。警察によるとパク容疑者は前日、新安郡長山面(チャンサンミョン)の足島(チョクト)に衝突する3分前の午後8時13分ごろ、1.6キロ離れた海域で、航路を木浦三鶴(サムハク)埠頭方向へ切り替えず、時速43キロで直進して船体を暗礁に衝突させた疑いが持たれている。
事故発生時、クイーンジェヌビアⅡは自動航法装置で運航していた。パク容疑者は当初の聴取で「舵が作動しなかった」と主張したが、その後「携帯電話でポータルニュースを見ていて、手動運航に切り替えられなかった」と供述を翻したという。足島に衝突する100メートル手前になってようやく危険を察知し、航路を変更する時間がなかったということだ。海警は、パク容疑者が暗礁などを確認できるレーダー機器のある座席にいながら、事前に把握できなかった経緯を調べている。
事故当時、60代の船長・キム氏が持ち場を離れていた理由についても調査が進んでいる。船員法と同船の運航管理規程によると、今回の事故海域のような狭い水路では船長が操船を直接指揮しなければならないが、キム氏は操舵室を空けていたとされる。キム氏は業務上重過失致傷の疑いで在宅立件された。
クイーンジェヌビアⅡは事故直前の約3分間、通常航路を逸脱して無人島方向に向かっていたが、VTSは警告音を出しておらず問題視されている。クイーンジェヌビアⅡと木浦VTSの交信記録は、当該海域に入った際の慣例的な通信を除けば残っていない。木浦VTSは事故直後、パク容疑者の通報を受けて初めて座礁を把握した。
一方、海警の救助活動により、乗客・船員は事故発生から3時間10分後の19日午後11時30分ごろに全員救助された。座礁の衝撃で約30人が軽傷を負い、病院で治療を受けた。海警関係者は「事故海域は狭く潮流が速い危険区間で、運航には格別の注意が必要だった」とし、「過失の解明に捜査力を集中している」と述べた。
李亨胄 peneye09@donga.com






