Go to contents

関税交渉の国会批准論、柔軟な対米対応を縛りかねない

関税交渉の国会批准論、柔軟な対米対応を縛りかねない

Posted November. 18, 2025 09:25,   

Updated November. 18, 2025 09:25


韓米の関税・安保協議の結果をまとめた「ジョイント・ファクトシート(共同説明資料)」が14日に発表されて以来、その協議結果を国会でどのように扱うかをめぐって与野党が神経戦を繰り広げている。政府と与党「共に民主党」は、ファクトシートは国家間の条約ではなく覚書(MOU)であり国会批准の対象ではないとして、対米投資特別法を制定して事後措置を取ろうと主張している。一方、野党「国民の力」は、国民に大きな財政的負担が発生するため国会の批准同意が欠かせないと反論している。

憲法第60条1項は「国会は国家または国民に重大な財政的負担を負わせる条約、または立法事項に関する条約の締結・批准について同意権を有する」と規定している。野党は、今回のファクトシートは条約ではないが「重大な財政的負担」および「条約または立法事項に関する内容」をすべて含んでいるため、国会批准を経るべきだと主張する。1988年、韓米間の「戦略物資および技術資料保護に関するMOU」など、MOUであっても国会批准の手続きを経た前例も挙げている。

しかし、特定案件ではなく関税・外交・安保など包括的内容を網羅した今回のMOU全体を一括して批准すると、長期間続くいわゆる「フォーエバー交渉」の過程で柔軟に対処しにくく、国益を損なう恐れが少なくない。国会批准を得れば法的効力が生じ、今後米国の政治状況が変化しても義務的履行が避けられず「足かせ」となるからだ。合意相手国の米国はもちろん、米国と似た合意を結んだ日本や欧州連合(EU)も議会批准を経ていない。後続協議によって既存案より実利をさらに確保できる余地を残し、協商チームの裁量の幅を広げるべきだという指摘が出る理由である。

交渉結果について政府が国会に十分説明し協議する過程は必ず必要だ。しかし批准するか否かという形式にとらわれ、時間だけ浪費するわけにはいかない。自動車・部品については、対米投資基金造成関連法案が国会に提出された月の1日付で関税引き下げを遡及適用することとしているため、後続措置をいつまでも先送りすることはできない。特別法の提出が今月を越えれば、自動車業界には毎月3000億ウォン程度の損失が発生する。政略的アプローチを避け、輸出主力産業の被害を最小化しつつ、対米投資によって国内産業基盤が弱体化しないよう立法的支援に力を合わせるべきである。