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2年で頓挫したフランスの年金改革 こじれた改革の代償は重い

2年で頓挫したフランスの年金改革 こじれた改革の代償は重い

Posted November. 15, 2025 09:52,   

Updated November. 15, 2025 09:52


フランス下院が、年金受給開始年齢を62歳から64歳へ段階的に遅らせる年金改革措置を、施行2年2カ月で中断することを決めた。来年度予算案の通過に向けて野党の協力が急務だったフランス政府が、年金改革の中断案を下院に提出したのだ。再開時期は次期大統領選後の2028年に先送りされ、再び施行されるかどうかも不透明になった。2年前、政府が議会採決を省略して、憲法上の特別条項を用いて年金改革案を強行したものの、結局頓挫した格好だ。

23年3月、マクロン大統領は「世論調査の支持率より国家全体の利益を選ぶ」とし、年金改革の勝負に出て、同年9月から施行に入った。しかし所得減少への世論の反発と、これに便乗した政界の反対で危機に陥った。過去2年間で首相が5回も交代する政治的混乱が続き、ついに政府は白旗を掲げた。フランス政府は、年金改革の中断により今後2年間で22億ユーロ(約3兆7千億ウォン)の追加費用が発生すると予測した。改革が息を吹き返せなければ、負担はさらに大きくなる。

かつて成功例とされたフランスの年金改革の失敗は、一度「福祉病」が深まると治癒が難しく、いくら急いでも社会的説得と統合の努力なしに強行すべきでないという教訓を示す。年金受給者の増加速度がフランスより2.4倍も速い韓国は、まさに反面教師とすべきだ。韓国はフランス以上の改革圧力にさらされているにもかかわらず、改革は停滞している。今年3月、国会は18年ぶりの母数改革に合意したものの、「より多く負担し、より多く受け取る」という半端な改革にとどまり、構造改革の後続議論は事実上止まっている。最近の株価上昇に後押しされ、運用収益率さえ引き上げれば構造改革なしでも年金枯渇を避けられるとの誤った期待まで出ている。

李在明(イ・ジェミョン)大統領は13日、「6大核心分野の構造改革によって潜在成長率を回復させなければならない」と述べ、年金改革を主要課題の一つに挙げた。改革への意志と推進力が生きている政権初期から強くドライブをかけなければ成功できない。選挙を意識して世論の顔色をうかがい逡巡しているようでは、ゴールデンタイムを逃しかねない。年金改革が先送りされればされるほど社会的対立は大きくなり、将来世代の負担も増すということを肝に銘じなければならない。