
中国は先月、西海暫定措置水域(PMZ)で韓国の海洋調査船を阻止し、韓中船舶の対峙状況が再び発生していたことが分かった。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)は27日(現地時間)、『暫定措置水域における韓中対峙』と題した報告書でこの状況を伝え、「今年2月に発生した対峙状況と類似しているように見える。中国は、紛争海域に一方的に設置した海洋構造物の周辺で意図的に存在感を示し、監視活動を継続している」と評価した。
CSISが国際海洋情報会社「スターボード海洋情報」の自動識別システム(AIS)のデータを分析したところ、先月24日、韓国の海洋調査船オンヌリ号が西海(ソへ)のPMZに進入した際、中国海警の警備船1隻がオンヌリ号に接近し、さらに中国海警船2隻も追加で進入した。これを受け、オンヌリ号の支援のため韓国海警船も同地域に投入された。
翌日、オンヌリ号が、中国側が「深海漁業養殖設備」と主張する浮遊式構造物・深藍1号・2号に『施設点検』のため接近した際、中国海警船2隻がオンヌリ号を取り囲む形となった。これらの船は、帰航中のオンヌリ号と韓国海警船を15時間にわたり追跡した。両船がPMZを離れた後に追跡を停止したが、追跡中は最大3キロまで接近し緊張が高まった。
韓国と中国は2001年の漁業協定締結時に、両国の200海里排他的経済水域(EEZ)が重なる地点をPMZと設定し、ここでは漁業のみ可能で、施設設置や資源開発は禁止とした。しかし中国は深藍1・2号を一方的に設置し、関連管理施設と称して石油掘削設備の形状の構造物まで設置した。
政府は、これらの構造物に対し繰り返し遺憾を表明しているが、中国は「養殖施設だから領有権とは無関係だ」という一方的な主張を繰り返している。さらに今年2月には、現場調査に出た韓国の海洋調査船を阻止し、先月も同様の行為を行った。
このような中国の措置について、西海における領有権主張の根拠を作ろうとする中国式「西海プロジェクト」の一環だという分析が出ている。CSISも「南シナ海や東シナ海で中国が紛争水域の支配権を強化するために用いてきた戦略に似ている」と指摘した。
申晋宇 niceshin@donga.com






