Go to contents

トランプ氏「北朝鮮との潜在的な衝突は解決する」ラブコール送りつつも、「衝突は私たちを巻き込まない」

トランプ氏「北朝鮮との潜在的な衝突は解決する」ラブコール送りつつも、「衝突は私たちを巻き込まない」

Posted June. 30, 2025 08:28,   

Updated June. 30, 2025 08:28


トランプ米大統領は27日(現地時間)、再び北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との関係を強調し、「北朝鮮との潜在的な衝突があれば解決する」と述べた。最近、イラン・イスラエル戦争で積極的な軍事介入などにより「フィクサー」として評価されたトランプ氏が、再び米朝対話への意思を示したと分析されている。

ただし、トランプ氏は北朝鮮との対話の意思を表明しながらも、「もし衝突が発生すれば、それは私たちを巻き込むものではない」とも述べた。これについて、トランプ氏が米朝間の対話意思は強調しつつも、南北間の対立については一線を画したのではないかという見方もある。また、北朝鮮は29日、官営メディア「労働新聞」を通じてトランプ氏の「ラブコール」に応える代わりに「自力更生」を強調した。

● トランプ氏、イランとは異なり北朝鮮には対話の意思を強調

トランプ氏は同日、ホワイトハウスで「正恩氏に手紙を送ったのは事実か」という記者の質問に対し、「私は正恩氏と良好な関係を築いており、彼とはうまくやっている」とし、「潜在的な衝突があれば、私たちはそれを解決できるだろう」と述べた。そして、手紙を送ったのか尋ねる質問には即答を避け、「何が起こるか見てみよう」と述べた。

米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」は11日、トランプ氏が北朝鮮との対話再開のために親書を作成し正恩氏に送ろうとしたが、ニューヨークの国連本部に駐在する北朝鮮代表団が受け取りを繰り返し拒否し、失敗に終わったと報じた。

にもかかわらず、トランプ氏が同日再び正恩氏との対話の意思を示したことに対して、積極的かつ強硬な軍事力行使を推進したイランとは異なり、北朝鮮に対しては外交的解決を好む姿勢を強調したと分析されている。

しかし、同日のトランプ氏の発言には、米朝対話と南北問題を分けてアプローチする意図が込められているとの見方もある。トランプ氏は、正恩氏との対話意思を示した後、「もし衝突が発生しても、それは私たちを巻き込まないだろう。私たちは問題が起きている場所から非常に遠く離れている」と述べた。

これを受け、トランプ氏が北朝鮮の核や大陸間弾道ミサイル(ICBM)のように、これまで米朝間の問題として認識されてきた事案に関する対立には直接解決の意思を示したが、それ以外の南北間の武力衝突に対しては一線を画したという見方が出ている。

● 北朝鮮「主権と尊厳は力で」

一方、北朝鮮は29日、官営メディア「労働新聞」を通じて、「敵対勢力が制裁の枷(かせ)で我々の命綱を締めようとする時はもとより、緩和の兆しを見せる時にも、自力更生の旗を一瞬たりとも下ろしたことはない」と述べ、米国の接近を警戒する構えを見せた。続けて「世界が不安定と混乱に陥っているのは、米国と西側諸国の強盗的な主権侵害行為に起因している」と批判した。また、「訴えや懇願で主権と尊厳を守ることができると考えるのは妄想であり、強い力を蓄える時にこそ、公正で正義ある国際秩序が確立される」と述べ、力による自立を強調した。

一方、北朝鮮はロシアとの協力関係については誇らしげに伝えた。労働新聞は、ロシアのリュビモワ文化相を団長とする代表団が前日平壌(ピョンヤン)に到着したと報じた。「ロ朝条約1年」を記念して、北朝鮮文化省がロシア代表団を招待したのだ。ロシア官営メディアは、北朝鮮が最近竣工した江原道元山(カンウォンド・ウォンサン)の葛麻(カルマ)海岸観光地区に、ロシア人観光客が来月7日に初めて訪問すると報じた。

全星勲(チョン・ソンフン)元統一研究院長は、「さまざまな懸案があり、すぐに米朝会談が開かれる状況ではないため、北朝鮮としてはすぐに応える必要はない」とし、「米朝対話はウクライナ戦争が終結し、北朝鮮の政権樹立記念日に近づく秋頃に具体化する可能性がある」と見通した。


林雨宣 imsun@donga.com