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ビクター・チャ氏「韓国、在韓米軍の調整拒否なら全面撤収も」

ビクター・チャ氏「韓国、在韓米軍の調整拒否なら全面撤収も」

Posted June. 04, 2025 09:11,   

Updated June. 04, 2025 09:11


韓国の新政権が在韓米軍の「戦略的柔軟性(strategic flexibility)」を受け入れない場合、トランプ米政権が在韓米軍の全面撤収を決断する可能性があるという警告が出された。

米戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長のビクター・チャ氏は、CSISの公式サイトに掲載されたQ&A形式の論評で、「韓国の新政権は在韓米軍の役割の再調整を意味する戦略的柔軟性を受け入れるかどうか、重大な決定を下さなければならない」と述べた。そのうえで、「これを拒否した場合、トランプ大統領が韓国を『フリーライダー(無賃乗車者)』と見なし、報復措置を取る可能性がある。それは在韓米軍の全面撤収につながるかもしれない」と警告した。

トランプ政権が在韓米軍の縮小を検討する背景について、チャ氏は「インド太平洋地域における中国との潜在的な衝突、特に台湾や第1列島線(沖縄~台湾~フィリピン)内での軍事的優位性を確保するための兵力再配置・増強を目的としたもの」と分析した。また、「米国の同盟国が自国の防衛をより多く担うべきだとするトランプ政権の原則も反映されている」と指摘した。トランプ政権は、韓国が自国の防衛を担う能力を備えていると判断しているということだ。

最近、米国防総省は米紙ウォールストリート・ジャーナルの在韓米軍縮小報道を否定したが、チャ氏はこうした議論が米政府内で実際に行われている可能性が高いと見ている。チャ氏は、「現在議論されている撤収計画が実行された場合、在韓米軍の兵力は2万人以下に減り、韓国戦争以降で最も少ない規模となる」とし、「(同紙報道で)撤収規模として言及された4500人は、ストライカー戦闘旅団規模に相当する」と説明した。軽装甲車を主力とするストライカー戦闘旅団は2022年から輪番配置されており、その規模は約5千人だ。

在韓米軍の戦略的柔軟性の受け入れ可否は、政治的に敏感な波紋を呼ぶと予想される。チャ氏は「韓国が戦略的柔軟性を受け入れれば米国にとって肯定的なメッセージとなるが、中国にとっては台湾有事の際に韓国が米国側につくというシグナルになる可能性がある」と指摘した。そのうえで、「このような戦略的決定を下すべき時期に、韓国政府は相互関税や自動車・鉄鋼関税など、(トランプ政権の)経済的圧力にも直面している」と付け加えた。


申晋宇 niceshin@donga.com