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「電気の消えた」製造業、パンデミックでもないのに電力使用量が2年連続減少

「電気の消えた」製造業、パンデミックでもないのに電力使用量が2年連続減少

Posted May. 21, 2025 15:02,   

Updated May. 21, 2025 15:02


昨年と一昨年、韓国の産業用電力の販売量が2年連続で減少した。コロナ禍の時期を除いては、関連統計を取り始めた1999年以降初めてのことだ。中国製品とのグローバル競争激化、深刻な内需萎縮が重なり、韓国の製造業が深刻な低迷に陥っているという警告だ。米ドナルド・トランプ政権の関税爆弾で輸出打撃が予定されている中、電気自動車用バッテリーなど次世代成長エンジンとして期待されていた産業までが底知れぬ泥沼に陥っている。

韓国電力によると、2023年と2024年の産業用電力の販売量は、それぞれ前年比1.9%と1.5%後退した。代表的な実物指標である電力販売量が引き続き減るというのは、製造業生産活動の萎縮がそれだけ深刻だという裏付けだ。世界6位の製造業強国である韓国は、鉄鋼・石油化学・半導体・自動車など主力輸出産業の大半が電力多消費業種だ。産業用電気料金までがこの2年間で70%も値上がりすると、仕事が減った製造業者は工場の電気を消し、機械を止めている。

昨年から中国産製品のダンピング攻勢で被害を受けていた韓国国内の鉄鋼や石油化学企業は、操業時間を短縮したり、工場を止めることが続いている。先月からは、自動車および部品に対する米国の関税賦課で、関連中堅・中小企業の生産まで急激に減っている。今年第1四半期の産業用電力販売も、昨年同期比3.6%減少し、3年連続で電力販売量の減少が続く可能性が高くなっている。

弱り目にたたり目で、製造業の未来を担う新事業分野の予測は悪化の一途をたどっている。中国を除いた残りのグローバル市場で、韓国の蓄電池企業の3月のシェアは40.3%で、42%の中国に追い越された。電気自動車の需要減速で打撃を受けて赤字を出している韓国のバッテリー企業は、借金をして持ちこたえている一方、世界1位の中国CATLは、しっかりとした自国の需要を基に黒字を出し、資本まで大幅に拡充して欧州などへの攻撃的な投資に乗り出している。

低迷した内需が経済成長率を下げる中、輸出製造業は韓国経済を前に押し進める唯一の成長エンジンだ。製造業の基盤が弱まり、1990年代に20%を上回った雇用のうち、製造業就業者の割合まで15.5%に減少した。未来を約束できない分野では、買収合併(M&A)を通じた構造調整に拍車をかけるものの、必ず守って育てなければならない産業は目の前の端境期を越えられるよう補助金支給や電気料金の調整など可能な支援を惜しんではならない。