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米中が10時間の通商交渉、トランプ大統領「完全リセット、大きな進展」と関税引き下げ示唆も

米中が10時間の通商交渉、トランプ大統領「完全リセット、大きな進展」と関税引き下げ示唆も

Posted May. 12, 2025 08:59,   

Updated May. 12, 2025 08:59


米国と中国が10日(現地時間)、スイス・ジュネーブで、第2次トランプ政権が主導した「関税戦争」勃発後、初めて通商交渉を行った。会談初日の同日、両国の代表は10時間にわたり、現在の貿易緊張の緩和に向けた対策を模索した。両国は会談翌日の11日午前、再び交渉に突入した。

初日の会談後、トランプ大統領は「多くのことで合意がなされた」と述べたが、両国とも公式発表資料は出していない。両国を代表して会談に出席したベッセント財務長官と中国の何立峰副首相も立場を明らかにしていない。

●トランプ氏「米中貿易関係を完全リセット」

トランプ氏は10日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「今日、スイスで中国と非常に良い会談があった」とし、「多くの事案が議論され、多くの部分で合意された」と書き込んだ。また、「友好的だが建設的な形で(米中貿易関係の)完全なるリセットが行われた」とし、「私たちは中国と米国双方の利益のために、中国が米国企業に(市場を)開放するのを見たい」と付け加えた。同日の会談について「大きな進展があった」と評価した。

同日の会議は、ベッセント氏と何氏が首席代表として臨み、午前10時から午後8時まで行われた。しかし、両国とも公式発表資料は出していない。主要海外メディアもまだ明確な成果はないと見ている。米紙ニューヨーク・タイムズは、「(食事時間を除いた実際の)交渉は少なくとも8時間行われた」とし、「最終合意案の発表なく終了した」と伝えた。米紙ウォールストリート・ジャーナルも、「双方とも声明を出しておらず、具体的な進展も示唆していない」と伝えた。

●トランプ氏、対中関税引き下げを示唆

トランプ氏は9日、「中国商品に80%の関税を課すのが適切だと考える」と述べ、現在、中国からの輸入品に課している145%の高関税を引き下げる意向を示した。同紙は、「専門家らは、トランプ氏がベッセント氏に対中関税率を80%水準に引き下げてもいいという公開メッセージと見ている」と伝えた。一方、英紙フィナンシャル・タイムズは、「トランプ氏の言葉は文字通り受け取らないことが重要だ。その数値はおそらく交渉戦略だったのだろう」と分析した。

ラトニック米商務長官は同日、FOXニュースとのインタビューで、対中関税率が34%に近い水準で合意される可能性もあるとの見通しを示した。ウォールストリート・ジャーナルは、「両者がフェンタニルに関する合意に達すれば、米国が中国製品に課している一部の関税が撤回される可能性がある」とし、「関係者によると、中国は米国製品の中国国内での購入拡大と米国への投資拡大を提案することも検討している」と伝えた。しかし、今回のスイスでの会談で両国間の貿易協定が締結される可能性は低いと予想した。

一方、トランプ氏は9日、世界各国に課している10%の基本相互関税について、「場合によっては例外もあり得る」と述べた。トランプ氏は同日、ホワイトハウス執務室で行われた大統領令署名式で、「誰かが私たちのために特別なことをしてくれるなら、(例外を)見ることになるだろう」と述べた。前日に行われた英国との貿易合意については、「素晴らしい合意」とし、「4、5件の別の合意がすぐに成立するだろう。今後も多くの合意が予定されている」と強調した。


林雨宣 imsun@donga.com