
政府とソウル市は、「江南(カンナム)3区(江南、瑞草、松坡区)」と龍山(ヨンサン)区内のすべてのマンションを6ヵ月間、伝貰(チョンセ=賃貸住宅の保証金)を抱えて購入する「ギャップ投資」が禁止される土地取引許可区域に指定する。先月12日、ソウル市が「蚕三大清(蚕室・三省・大峙・清潭)」を土地取引許可区域から解除してから35日でこれを覆し、規制地域を大幅に拡大した。
土地取引許可区域を区単位に指定したのは1970年の制度導入以来初めての事例だ。江南3区の住宅価格の上昇の勢いがソウル全域に広がり、過熱の様子を見せると、市場不安を和らげるために強気に出たのだ。約1ヵ月ぶりに規制を覆したことで政策の信頼を損ない、市場の混乱を招いたという指摘が高まっている。
ソウル市と国土部などの関係省庁は19日、政府ソウル庁舎で不動産関係機関会議を開き、このような内容を盛り込んだ「住宅市場の安定化策」を発表した。新規土地取引許可区域の指定対象は、江南3区と龍山区の4区(110.65平方キロメートル)にある約2200のマンション団地だ。世帯数では約40万戸となる。
許可区域では、敷地面積が一定規模(住居地域6平方メートル、商業地域15平方メートル)を超過するマンションを購入するためには、区長から事前に許可を得なければならない。2年間実居住しなければならないため、ギャップ投資ができなくなる。許可なしに契約を結ぶと、2年以下の懲役または最大土地価格の30%に当たる金額を罰金として払わなければならない。
指定期間は6ヵ月間で、今月24日から9月30日までとなっている。24日以降に結ぶ不動産契約から適用される。政府は、市場過熱が続くと、江南3区と龍山区の土地取引許可区域の指定期間を延長し、近隣地域を追加指定する方針だ。
新規指定により、ソウル市の土地取引許可区域の面積は52.79平方キロメートルから163.96平方キロメートルへと3倍に増える。ソウル市の面積全体の27%にあたる。先月、ソウル市が解除した蚕三大清の面積は13.04平方キロメートルだった。しかし、今回指定した面積は110.65平方キロメートルで、解除面積に比べて約8.49倍広くなっている。
ソウル市が1ヵ月ぶりに土地取引許可区域を拡大指定したことで、先月、住宅価格上昇の懸念が大きい状況で解除に踏み切ったのが政策混線の引き金となったという批判が出ている。韓国開発研究院(KDI)経済情報センターのソン・インホ所長は、「基準金利の引き下げが予告されており、取引件数が増える時期で許可区域を解除し、市場混乱がさらに深刻になった」とし、「政策を変更したことで、今後の政策に対する信頼まで失ったことがより一層致命的なことだ」と指摘した。
ソウル市の吳世勳(オ・セフン)市長は同日、言論向けブリーフィングで、「土地取引許可区域の解除後、江南を中心に不動産市場の価格が上昇したという指摘を謙虚に受け入れる」とし、「これにより、ご心配をおかけして市民の皆様に申し訳ない」と話した。
イ・チュクボク記者 bless@donga.com






