
トランプ米大統領が4日(現地時間)、上下両院の合同会議で行われた第2次政権の施政方針演説で、「韓国の平均関税率が(米国より)4倍高い」と主張した。グローバル覇権競争を繰り広げている中国について、関税率が米国より「2倍」高いと言及した後、すぐに韓国は「4倍」と直撃したのだ。韓国と米国は自由貿易協定(FTA)に基づき、98%の商品を事実上無関税で貿易している。にもかかわらず、最大の安全保障・経済脅威国である中国よりも同盟国である韓国の関税率がはるかに問題だという認識を示したのだ。これにより、今後、付加価値税や各種規制など非関税障壁を理由に韓国に「関税爆弾」を投下する可能性が高まったと懸念されている。トランプ政権は、韓国の核心的な対米輸出品目である自動車、半導体などに対する「品目別関税」や「相互関税」の賦課時期を来月2日に予告している。
特に、トランプ氏は同日、「韓国に軍事的にも様々な方法で多大な支援を提供しているが、このようなことが起きている」とも述べた。「米国の軍事支援」を関税問題と連携して取り上げたのだ。これをめぐって一部では、今後、在韓米軍駐留など安全保障関連支援と引き換えに通商面での譲歩を要求する可能性を示唆したという見方もある。
トランプ氏は、「半導体法(CHIPS法)と残りのものをすべて廃止すべきだ」とも述べた。バイデン政権がこの法律に基づいて米国への投資を増やす半導体企業などに補助金を支給することにしたが、これを廃止する考えを強調したのだ。これまで半導体法の恩恵を受けるために米国内の投資に力を入れてきたサムスン電子、SKハイニックスなど国内企業の被害も大きくなると予想される。
トランプ氏は、「商船と軍艦の建造を含む米国の造船産業を復活させる」とし、ホワイトハウス内に「造船担当事務局」を新設する方針も明らかにした。米国の造船業が衰退し、海軍の需要に対して艦船の供給能力が大幅に低下している状況で、造船産業を復活させるという意欲を示したのだ。第2次トランプ政権は、これまで韓国造船企業の技術と資本投資が重要だと何度も言及してきた。そのため、韓国は今後、米国との関税関連交渉などで「造船協力」を重要なカードとして使うことができるという観測も流れている。
トランプ氏は、「アラスカで世界最大級の天然ガスパイプラインの建設に取り組んでいる」とし、韓国、日本などがこれに数兆ドル投資しているとも話した。韓国政府消息筋は、「韓国のプロジェクト参加も関税免除など通商交渉のためのカードとして活用できるため、検討している」と明らかにした。
申晋宇 niceshin@donga.com