
憲法裁判所の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾審判が終盤に入り、汝矣島(ヨウィド)の時計は急速に早期大統領選挙モードに移行しつつある。弾劾審判が出るまで、与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」は、次期大統領選に関する発言は控える方針だが、憲法裁で弾劾が認定された場合、60日以内に予備選挙と本選を行わなければならないため、「今から準備してもギリギリ」というムードの中、スピード戦に突入する様相だ。
「共に民主党」は、李在明(イ・ジェミョン)代表の元祖「親明(親李在明)」グループである「7人会」が本格的に動き始めた。7人会は旧正月直後の今月2日、李氏も出席して会合を行い、早期大統領選局面での役割を話し合った。
7人会所属の鄭成湖(チョン・ソンホ)、金栄鎮(キム・ヨンジン)議員が主導する勉強会「未来を開く議会民主主義フォーラム」は19日、国会で憲法関連セミナーを開催した。これをめぐって党内では、「非明」系を中心とした改憲要求が続く中、李氏が長期的には改憲を推進できる余地を開いたと見ている。
李氏は、早期大統領選に備えた野党候補の一本化作業にも着手した。李氏は同日、祖国革新党・進歩党・基本所得党・社会民主党と共に野党5党「内乱終結円卓会議」の発足式を開き、「憲政秩序の守護を望むすべての勢力が共にすることを期待する」と述べた。李氏側関係者は、「円卓会議を通じて、野党の大統領候補一本化の議論が自然に行われるのではないか」とし、「『国民の力』候補と改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)議員の保守候補の一本化を阻止するために、李俊錫氏との意思疎通チャンネルが必要だ」と話した。
「国民の力」の大統領選候補たちの動きも加速している。一部の世論調査で、保守陣営の大統領選候補の中で支持率トップの金文洙(キム・ムンス)雇用労働部長官は19日、同党の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)、禹在埈(ウ・ジェジュン)議員が主催した「労働改革大討論会」の基調演説を行った。討論会には「国民の力」議員60人が参加した。金氏は、「定年延長議論を賃金体系の改編と連動させなければならない」と述べ、事実上、大統領選を狙った労働アジェンダを提案した。
洪準杓(ホン・ジュンビョ)大邱(テグ)市長も同日、ソウル汝矣島を訪れ、党担当記者と非公開の懇談会を行った。安哲秀(アン・チョルス)議員も同日、「早期大統領選が行われれば、(私が)大統領候補群の中で唯一の現職議員」とし、「(早期大統領選出馬という)プランBを準備している」と明らかにした。
同党の韓東勲(ハン・ドンフン)前代表は、同日から予約販売に入った本『国民が先です』で、政治活動の再開を準備している。大統領選出馬の可能性が取り沙汰されている李喆雨(イ・チョルウ)慶尚北道(キョンサンプクト)知事は同日、国会で記者会見を開き、「弾劾審判から尹大統領を守ることに総力を注がなければならない」と主張した。
ユン・ダビン記者 イ・サンホン記者 empty@donga.com






