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座って見る演劇、歩きながら見る新鮮な試み

座って見る演劇、歩きながら見る新鮮な試み

Posted January. 23, 2025 08:29,   

Updated January. 23, 2025 08:29

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16日(現地時間)に他界したデヴィッド・リンチの映画の世界に生きているような演劇「スリップ・ノー・モア」、人間の本質とアイデンティティを深く探究した傑作と評される「ジキル博士とハイド氏」、2023年米トニー賞で主演女優賞を受賞した女性一人芝居「プリマ・フェイシ(Prima Facie)」。海外で好評を博した人気演劇が今年も韓国で続々と初演される。

8月に韓国で公開される「スリップ・ノーモア」は、観客が1カ所に座るのではなく、幾つかの部屋を移動しながら見る没入型演劇だ。シェイクスピアの「マクベス」を題材に、アルフレッド・ヒッチコックの映画「レベッカ」や魔女裁判を連想させるミステリーで衝撃的なシーンで構成されている。

台詞なしで身振りとダンスだけで物語を伝えるが、一つの空間で順番に展開されず、俳優たちが各空間で同じ1時間の公演を計3回繰り返す。仮面をかぶった観客が興味のあるキャラクターを追いかけて観覧できるように構成され、観客ごとに同じ演劇を異なる物語として解釈することもできる。

この演劇は2003年、英国ロンドンで初演され、2011年から米ニューヨークのブロードウェイで10年以上長期公演されている。韓国公演はニューヨーク公演を土台にしている。ニューヨークでは6階建ての建物全体を舞台に利用したが、韓国は昨年閉館したソウル中区(チュング)の大韓(デハン)劇場の建物を改造して公演会場を作る。製作会社ミス・ジャクソンの関係者は「旧大韓劇場の内部を、ホテルをコンセプトとした空間に作り変える工事を進めている。公演を韓国の状況に合わせて修正している」と説明した。

昨年、英国のエディンバラで初めて上演され、「古典の衝撃的な美しさを現代的に再構成した」と好評を博した演劇「ジキル博士とハイド氏」も、3月4日からソウル鍾路区大学路(チョンノグ・テハンノ)のTOM2館で初演される。スコットランドの劇作家ガリー・マクネアが、原作小説「ジキル博士とハイド氏」をジキルの友人「アターソン」の視点で再解釈した一人芝居だ。イ・ジュンウが演出し、俳優のチェ・ジョンウォン、コ・フンジョン、ペク・ソングァン、カン・ギドゥンが出演する。チェ・ジョンウォンは2019年以来6年ぶりの演劇出演だ。グリームカンパニー製作。

8月、ソウル中区(チュング)の忠武(チュンム)アートセンターで開幕する「プリマ・フェイシ」は女性一人芝居だ。性犯罪事件の弁護を専門とする敏腕弁護士テッサが、性的暴行の被害者になって経験する2年間を描く。女優1人がテッサを含む複数の人物を演じ、法廷ドラマと個人的なトラウマを組み合わせることで強いメッセージを伝えていると評価されている。

弁護士から被害者になるテッサを通して、法制度に対する見方の変化、裁判制度の矛盾、被害者が直面する困難を鋭く指摘する。2019年にオーストラリアのシドニーで初演され、2022年にロンドンのウェストエンド、2023年ニューヨークで公演した。英国オリヴィエ賞で「最優秀新作」「最優秀主演女優賞」なども受賞した。

英国のブッカー賞を受賞した原作と2013年にアン・リー(李安)監督が映画化したことで知られる演劇「ライフ・オブ・パイ」も、11月に韓国で初演される予定だ。2023年トニー賞で3冠に輝いた作品だ。


金民 kimmin@donga.com