
暗号資産仮想通貨に好意的な姿勢を見せてきたトランプ米次期米大統領が、大統領就任を3日後に控えて自身の名を冠した「ミームコイン(流行を反映して作った仮想通貨)」である「$TRUMP」を直接発行し、物議を醸している。投資家の熱狂的な反応に同コインの市場価値は爆騰したが、コインの80%をトランプ氏が保有していることが明らかになり、利益相反や倫理上の問題が提起された。
米紙ウォールストリートジャーナルによると、トランプ氏は前日午後9時、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に、「私の新しい公式トランプミームが発行された。今すぐ$TRUMPを手に入れよ」とし、同コインの購入リンクを掲載した。フォックス・ビジネスは、「24時間足らずで$TRUMPの価値が数セントから33.87ドルと1万8000%以上のものすごい上昇を見せている。これにより、時価総額で世界トップ30の仮想通貨に含まれた」と伝えた。同紙によると、$TRUMPの80%はトランプ氏の系列会社などトランプ氏に関連する機関や人物が所有しており、一日で60億ドル以上の市場価値を記録した。当該コインがソラナブロックチェーンネットワークを基盤に発行されたため、仮想通貨市場において時価総額4位のソラナも20%近く急騰した。
これに対してニューヨークタイムズは「大統領職を利用して金儲けをしようとする露骨な試み」として「2期目のトランプ政権が倫理的境界を違反することに躊躇しないことを示すシグナル」と指摘した。ウォールストリートジャーナルは、「トランプコインは一部の熱烈な仮想通貨支持者の間でも批判を受けている」としながらも、「ワシントン(米国政界)に影響を及ぼそうとする外国政府や企業が、トランプ氏の機嫌を取るためにトークンを購入する可能性がある」と予測した。
林雨宣 imsun@donga.com






