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今度はデンマーク首相が襲撃、欧州の「極端政治」に不安高まる

今度はデンマーク首相が襲撃、欧州の「極端政治」に不安高まる

Posted June. 10, 2024 09:10,   

Updated June. 10, 2024 09:10


デンマークのメッテ・フレデリクセン首相(46・写真)が7日、首都コペンハーゲンの広場で39歳のポーランド人男性から暴行を受けた。約3週間前の先月15日には、スロバキアのロベルト・フィツォ首相が複数発の銃撃を受けている。先月、ドイツでもフランツィスカ・ギファイ元ベルリン市長など、複数の有名政治家が暴力に遭った。

世界各地で起きている極端な政治的分裂が、各国の政治家に対する暴力を煽っている。民主主義先進国と言われる西欧も安全地帯ではないと懸念されている。

ロイター通信などによると、フレデリクセン氏は同日午後、広場でこの男性から突然、暴行を受けた。目撃者らは「男性が突然近づき、首相の肩を強く押した」と伝えた。

逃走しようとした犯人は現場で逮捕され、12日間拘留された。なぜこのような事件を起こしたのかはまだ明らかにされていない。警察は「容疑者は犯行当時、酒と麻薬に酔っていた。被害者がデンマークの首相であることを認識していなかった」と明らかにした。この男性の弁護人は、「政治的動機とは無関係の犯罪」と繰り返し強調した。

フレデリクセン氏は軽度のむち打ち症を負い、7日のスケジュールを取り消した。8日の声明を通じて、「昨日の事件で悲しかったが、安全だ」と述べ、多くの支持に感謝した。フレデリクセン氏は進歩的な社会民主党所属で、2019年から政権に就いている。特に42歳で最年少の首相になり、大きな関心を集めた。

欧州の指導者たちは一斉に政治的暴力を非難した。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長はX(旧ツイッター)に、「私たちが信じるすべてに反するこの卑劣な行為を非難する」と主張した。ノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相も、「オープンで民主的な社会に対する攻撃」と同調した。フランスのマクロン大統領、EU首脳会議のシャルル・ミシェル常任議長、スウェーデンのウルフ・クリステルソン首相などもフレデリクセン氏の快復を願い、犯行を非難した。民主的に選出されたリーダーに対する攻撃は、民主主義に対する攻撃だと懸念した。

6~9日に行われた欧州議会選挙で、各国の極右政党の躍進が予想される中、移民などをめぐる既存の対立が激化すれば、このような政治的暴力がより頻繁に発生することが懸念されている。実際、最近発生した暴力は、当該指導者の政治性向に関係なく無差別に行われている。進歩性向のフレデリクセン氏とは異なり、フィツォ氏は強力な反移民政策を掲げる右派性向だ。


趙은아 achim@donga.com