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尹大統領「自由な統一韓国」、理念攻勢を超えた国民共感を

尹大統領「自由な統一韓国」、理念攻勢を超えた国民共感を

Posted March. 02, 2024 08:47,   

Updated March. 02, 2024 08:47

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は1日、「3・1節」記念演説を通じて、「3・1運動は、誰もが自由と豊かさを享受する統一で初めて完結する」とし、「自由な統一韓半島に向けて進まなければならない」と述べた。尹大統領は、「北朝鮮政権の暴政と人権蹂躙(じゅうりん)は、人類普遍の価値を否定するものだ」とし、「自由と人権を拡張することがまさに統一だ」と強調した。大統領室は、今年で30年になる「民族共同体統一方案」を見直し、自由主義の価値を盛り込んだ新たな統一ビジョンを提示する方針も明らかにした。

今回の3・1節記念演説は、これまで尹大統領のすべての演説の核心テーマだった自由の価値を統一議論に拡張した「自由主義統一論」と要約できるようだ。尹大統領は、記念式演説で「自由」を17回、「統一」を8回言及した。3・1運動の根源も世界史の大きな流れである自由主義にあったとし、その延長線上で「自由な統一大韓民国」を作ることは「大統領としての歴史的・憲法的責務」とも述べた。今後、統一談論を主導するという意志が読み取れる。

尹大統領が統一に触れたのは、北朝鮮政権の統一破棄に対抗するためだ。同族を「第1の敵対国」と規定した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、「統一、和解、同族という概念自体を完全に除去しなければならない」と主張した。そのような北朝鮮に対して、尹大統領は「全体主義的な抑圧統治で住民を困窮と絶望の沼に閉じ込めている」と批判し、自由と人権に基づいた統一論で本格的な攻勢に出たのだ。

政府の統一主導の意志は時宜を得ており、正しい方向だ。北朝鮮の対南敵対路線に対抗して、韓国社会の一部で南北関係も「国家間関係」に再定義しようという主張も出ている時だ。しかし、統一は私たちがしっかりと守らなければならない原則であり使命だ。旧東ドイツが「単一民族論」を否定して自滅の道を歩んだように、体制存続のための北朝鮮の苦闘も限界に直面するだろう。

ただ、政府の統一論がそこに留まってはならない。過去、「統一は泥棒のようにやってくる」「統一は大当たり」などの統一論は、南北関係が悪化すると持ち出されるカードであり、南北間の対立をさらに助長したことも否定できない。さらに、韓国社会内部の理念対立の要因にもなった。今は確固たる安全保障とともに、緊張緩和のための柔軟なアプローチも必要な時だ。究極の包容の対象である北朝鮮に対する理念攻撃の次元を超え、国民全員が共感する統一論議を目指さなければならない。