Go to contents

「マイウェイ」のネタニヤフ氏、ハマスの交渉案を全面拒否…米とも不協和音

「マイウェイ」のネタニヤフ氏、ハマスの交渉案を全面拒否…米とも不協和音

Posted January. 23, 2024 08:32,   

Updated January. 23, 2024 08:32

한국어

パレスチナ武装組織ハマスが拘束しているイスラエル人の人質約130人をめぐり、イスラエルのネタニヤフ首相(写真)とハマスが「強対強」の対立を続けている。特に、ネタニヤフ氏は、ハマス側が提案した人質解放および戦闘休止案を全面拒否した。米国と国際社会が求めるパレスチナ独立国家建設の要求にも、従来の反対の立場を再確認した。

このようなネタニヤフ氏の行動をめぐって、イスラエル内部でも批判が高まっている。人質の命は度外視して支持基盤である極右層の考えだけを考慮した強硬策に固守しているということだ。特に、人質の家族はエルサレムの首相官邸の前でテントを張り、連日「直ちに解放交渉を開始せよ」とデモを行っている。強力な地上作戦にもかかわらず、「ハマス壊滅」というネタニヤフ内閣の目標に反してハマス隊員の一部しか排除できなかったことが明らかになり、イスラエル軍内部でも懐疑論が強まっている。

● ネタニヤフ氏「交渉不可」VS ハマス「人質は死ぬだろう」

イスラエルの地元紙タイムズ・オブ・イスラエルなどによると、ネタニヤフ氏は21日に公開した映像メッセージを通じて、「怪物ハマスが提示した交渉条件を拒否する。イスラエル人の安全を守ることができず、イスラエルの兵士も無駄に倒れるだろう」と主張した。

ハマスは最近、ガザ地区からのイスラエル軍の撤退、イスラエルの刑務所に収監されたパレスチナ人の解放などを条件に、人質を解放し、戦闘休止に突入する考えを伝えた。しかし、ネタニヤフ内閣は、「ハマスを必ず壊滅しなければならない。殺人者や強姦犯も解放できない」と表明した。

イスラエルの人質の家族たちは、ネタニヤフ氏のメッセージに反発した。彼らは官邸前の道路にテントを張り、「昨年10月7日の戦闘で人質になった人々は、すでに107日間捕虜生活を強いられている」とし、「直ちに解放せよ」と求めた。

ネタニヤフ氏は、パレスチナ独立国建設にも明確な反対の意思を示した。ガザ地区はもとより、ヨルダン川西岸地区でもイスラエルが完全な統制権を持つとし、「妥協しない。首相である限り、これを堅固に守る」と明らかにした。

これに対し、ハマスも人質の命を保証できないと反発した。同日、英紙ガーディアンによると、ハマスの幹部サミ・アブ・ズーリ氏は、「ネタニヤフ氏がガザ地区での軍事作戦の終了を拒否すれば、ハマスの人質の帰還の可能性もない」と明らかにした。ハマスは同日、16ページの声明を通じて、昨年10月の先制攻撃は「イスラエルの弾圧に対抗する正常な対応だった」と主張した。イスラエルの民間人が大量に犠牲になり、人質まで拉致したのは、「偶発的な事態」と弁明した。

● ハマス壊滅、遅々として進まず...懐疑論、高まる

人質解放とハマス壊滅を同時に達成できるというネタニヤフ氏の主張に反し、実際の成果はわずかであることが分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米情報当局関係者を引用し、イスラエル軍は、2万5千~3万人と推定されるハマス隊員のうち20~30%水準の約1万人を除去したと報じた。同紙は、「ハマスの回復力を示す」と指摘した。

匿名報道を前提に米紙ニューヨーク・タイムズと接触したイスラエルの将軍4人は、「ハマスの壊滅と人質解放の目標は両立できない。ハマス壊滅のための戦闘が長期化すれば、人質が命を失う可能性が高い」と懸念を示した。ガディ・アイゼンコット元イスラエル軍参謀総長も、「軍事作戦でハマスに捕らえられた人質を救出できると信じるのは『幻想』だ」と批判した。

同紙が検討したイスラエル軍の文書によると、軍は当初、昨年12月までにガザ地区の3大都市であるガザシティ、ハーン・ユーニス、ラファで「統制権」を確保する計画だった。しかし、1月中旬現在でもラファに進軍できていない。

昨年の奇襲攻撃を主導した「ハマスのナンバー2」のヤヒヤ・シンワル氏、軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏も生きている。イスラエル軍は戦闘勃発直後から両者の殺害を目標に掲げていたが、容易でないことが確認された。


カイロ=キム・ギユン特派員 イ・ジユン記者 pep@donga.com