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憎悪を煽る政治、4月総選挙で退出すべきだ

憎悪を煽る政治、4月総選挙で退出すべきだ

Posted January. 06, 2024 08:26,   

Updated January. 06, 2024 08:26

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「Wilfully, wilfully misled parliament(意図的に、意図的に議会をミスリードした)」

スコットランド国民党のイアン・ブラックフォード院内総務は2022年1月、英国の下院議会で、当時のボリス・ジョンソン英国首相をこのように批判した。リンジー・ホイル下院議長は、この言葉を撤回するよう繰り返し要求したが、ブラックフォード氏は応じなかった。彼は「首相が真実を語れないほど信頼されていないのは、私のせいではない」と述べた。与党保守党は怒鳴り声をあげた。

「下院議事規則43条に従い、直ちに下院から退場するよう命じます」

ブラックフォード氏はホイル氏のこの発言が終わる前に下院議会を退席した。当時、ジョンソン首相には新型コロナウイルスのパンデミック期間中の2020年、ロンドンのダウニング街10番地にある首相官邸で自分の誕生日パーティーを開催し、感染対策の規制を違反した疑惑がもたれていた。

下院議事規則第43条は、議長の指示に不服する議員に対して退場を命ずることができると規定している。

ホイル氏がブラックフォード氏に発言の取り消しを要求したのは「議院の慣例に反する言語(unparliamentary language)」の使用を禁止する規定が英国議会にあるからだ。英国の下院議員は「嘘をついている」「意図的にごまかしている」などの発言で互いに非難することを禁止されている。英国議会ホームページにアクセスしてみると、このような「議院の慣例に反する言語」には悪党、臆病者、愚か者、ネズミ、手先、裏切り者のような言葉が含まれていた。

2016年84歳の労働党のデニス・スキナー下院議員もこの規定に基づき会場から追い出された。デービッド・キャメロン首相(当時)を「嘘つき(dodgy)デーブ」と呼んだからだった。

昨年9月、与党「国民の力」の太永浩(テ・ヨンホ)議員は国会での政府質問で、最大野党「共に民主党」に向かって「共産全体主義に盲従する」と攻撃した。すると朴英淳(パク・ヨンスン)議員ら民主党議員らは「ゴミ」「北の協力者」「パルチザン」などの表現でテ議員を攻撃した。

韓国国会から発せられる暴言をみれば、英国の下院議員が会議から追い出された根拠である「議院の慣例に反する言語」は暴言とも言えないほど軽く感じられる。

さらに大きな問題は、与野党の暴言が相手陣営を悪魔化し、極端な敵対感を煽る憎悪の言語である点だ。彼らの言葉遣いが熱烈な支持者の憎悪を増幅させている。両極端の熱烈な支持者は、自分たちの陣営の極端な主張を盲目的に信じ、相手陣営の言うことは無条件に罵る。ユーチューブやソーシャルネットワークサービス(SNS)を見れば、政治的内戦状態と言っても過言ではない。このような政治的二極化を煽って政治的に最も大きな利益を得る人は憎悪の言語を吐き出す政治家たちだ。

政治家は憎悪の言語を使って国会議員の地位を維持する。彼らとしては好循環だが、韓国政治は悪循環に陥る。

与党のある有力議員は、「メディアでは刺激な言葉ばかりが取り上げられるので、与党議員も意図的にそのような言葉を選んでいる。メディアに全く出なくてもいいから憎悪を煽るような言葉を使いたくない」と話した。

民主党の重鎮議員は、「政治とは、批判して戦っても酒を飲みながら誤解を解くものだったが、もう与野党議員にそんな人はいない。相手への呪いだけが残った。同じ党でも政敵を排除するために虚偽の情報を平気で広める」とため息をついた。

憎悪政治を煽る国会議員はどこから来たのか。4年前の総選挙の与野党公認から来た。彼らを公認した「国民の力」と「共に民主党」の責任だ。彼らを二度と国会に足を踏み入れることができないようにしろ。もはや手をこまねいて何もしないことは許されない。