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米連邦最高裁長官「AI活用はメリットあるが、『人間の判事』の役割もある」

米連邦最高裁長官「AI活用はメリットあるが、『人間の判事』の役割もある」

Posted January. 02, 2024 08:16,   

Updated January. 02, 2024 08:16

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ジョン・ロバーツ米連邦最高裁判所長官(写真)が、「人工知能(AI)が法曹界に混合された祝福をもたらす」とし、AI使用時に「慎重さ」と「謙虚さ」が必要だと強調した。庶民の司法へのアクセス性を高め、時間とコストを減らすメリットはあるが、コンテンツの真偽問題や個人情報が保護されないといった懸念が大きく、人間の判事だけができる役割も明らかに存在すると診断した。AIの活用が普及しても相当期間、人間の判事が存在すると予想した。

ロバーツ氏は昨年12月31日に発表した2023年の年次最高裁報告書で、AI使用の両面性を指摘した。ロバーツ氏は、AIが貧しい訴訟当事者の司法へのアクセスを向上させ、裁判所がより迅速かつ安価に事件を解決するのに役立つ可能性があることを認めた。複雑な法律関連書類をどこで、どのように探すべきかについて簡単に答えてくれ、各種法律研究にも肯定的な効果を与えると見通した。

ロバーツ氏は、AIが作ったコンテンツの真偽問題が続くことも懸念した。トランプ前大統領の最側近だったが、各種の訴訟などで決別したマイケル・コーエン氏は最近、「トランプ氏側が誤って私の弁護士にAIが作った偽の引用を提供した」と明らかにした。一部の弁護士がAIを活用して存在しない判例を引用する事例も続出している。

このため、ルイジアナ州ニューオーリンズの連邦控訴裁判所は最近、「チャットGPT」のような生成AIツールの使用を規制する規則を制定した。弁護士が法律文書の草案を作成するためにAIに依存しなかったということ、AIが生成したテキストの正確性を人間が検討したことなどを証明するというのが骨子だ。

またロバーツ氏は、「法的決定はしばしば人間の判断を適用しなければならない『グレーゾーン』を含む」とし、判決の時、被告人の発言の真実性を評価できるのは判事だけだと強調した。被告人の震える手や声、イントネーションや表情の変化、汗、瞬間の戸惑い、目配りなどの微妙な違いは、人間の判事だけが見抜くことができるという主張だ。AIの使用増加でプライバシー侵害が増え、法を非人間化するリスクも存在すると懸念した。


パク・ヒョモク記者 tree624@donga.com