タバコ価格や電気料金に課される負担金は、税金ではないが、企業と個人は税金のように払わなければならない。このような90種類の負担金で、国民が昨年1年間負担した金額は22兆4000億ウォンだ。前年より1兆ウォン伸びた。最初に負担金を課すことにしたときは、特定公益事業の財源に充てることが目的だった。しかし、時間が経つにつれて、本来の趣旨から外れた準租税に固まった。
規模が一番大きい国民健康増進の負担金は、昨年2兆8250億ウォンが徴収された。タバコ1箱当たり840ウォンが、タバコ事業者に課される。1995年に負担金が新設された時の目的は、禁煙教育など国民の健康増進だった。年間負担額は28年ぶりに188倍に増えたが、徴収された金の大半は、今は感染症や少子化対応など全く違う用途に使われる。
韓国電力が電気料金を徴収する際、3.7%ずつ追加徴収される電力産業基盤基金の負担金は、支出金額より毎年2兆ウォン以上が多く徴収される。電気料金が値上がりし、負担金も同じテンポで増加している。2001年の導入時に、電力産業の民営化に備えて産業基盤を拡充するという約束とは異なり、再生可能エネルギー事業や韓電工科大学の建設などにまわされている。
最近、大韓商工会議所は、経済・社会変化を反映して妥当性が落ちた法定負担金を廃止し、過度な賦課料率を見直すべきだと指摘した。2002年は7兆4000億ウォンだった年間負担金が、20年が過ぎた昨年は3倍以上に増えたのは度を過ぎているという批判だ。過去の政府が、税金引き上げより社会的抵抗の少ない負担金を増やしたことで起きたことだ。
負担金であれ税金であれ、必要以上に徴収すれば、家計の仮処分所得を減らして消費を減らし、企業の投資も萎縮させる結果につながる。政府と政界が勝手に用途を変更し、予想外のところに浪費される金が少なくない。一般観客に3%ずつ課される映画上映館の入場券賦課金、国民が海外旅行に行く際に仕払う出国納付金などは、特定公益事業に使うために事業者に課されるという負担金賦課の基本原則にも反する、という指摘が多い。
今年、韓国の成長率は1%台半ばまで下がる見通しだ。消費萎縮と中国発悪材料でさらに下落するだろうという予想まで出ている。税金が少なく徴収され、財政赤字の幅が大きくなれば、政府と政界は準租税である負担金を小遣いのように使いたくなる誘惑に陥りやすい。このようなことを防ぐためにも、本来の目的からかけ離れた負担金制度を全面的に見直し、民間の負担を軽減しなければならない。
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