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24時間ずっと文句を言う職場の上司がいる。直ちに辞表を書くのも当然だが、怖くてそうすることはできない。上司は強大な力を持つ「ドラキュラ」だからだ。どこでも私を呼んで、その気になれば、体をバラバラに裂いてしまう恐ろしい存在だ。仕方なく彼の手足としておよそ100年間暮らしたが、これ以上このように生きることができず、反抗に踏み切ることにする。俳優ニコラス・ケイジが文句を言うドラキュラ上司に変身した映画「レンフィールド」が19日公開された。血まみれで、四肢が切断されるハードコア物だが、笑いのコードを逃さなかった。
映画は、不動産事業をしていたレンフィールド(ニコラス・ホルト)が、ドラキュラ城を訪れることから始まる。堅実な彼に注目したドラキュラ(ニコラス・ケイジ)は、自分の下で働くことを提案する。その見返りに、昆虫を食べると相手の腕を抜いてしまったり、頭をつぶせる強力な力と永遠の命を得ることになる。
ドラキュラが指示した最も重要なことは、純潔な供え物を手にして自分に捧げること。昼夜を問わず新鮮な供え物を望むドラキュラの要求に、レンフィールドは日々青白くなっていくが、「君の人生の目的は、私に仕えることだ」というドラキュラのガスライティングに憂鬱な日々を送る。
供え物を探して迷っていたある日の夜、ある飲食店で麻薬組織を掃討しようとする正義の警察レベッカ(アクアフィ-ナ・本名=ノララム)に出会い、彼女を助けながら「これからは、平凡な人生を送りたい」という退社希望を持つことになる。だが、ドラキュラは怒りながら、辞職届を出そうとする彼を阻もうとし、退社を巡る肉弾戦が繰り広げられる。
レンフィールドは、ドラキュラを巧みに現代的に再解釈した。ドラキュラを職場の上司であり人間の血に中毒になった中毒者として、レンフィールドをガスライティングされる職員に例えた。また、うつ病や同伴依存症(自分を必要とする相手から自分の存在価値を感じ、相手に依存すること)など、現代人が経験する心理的不安を溶け込ませた。「これ以上、こういうパワハラを我慢しない」、「私は幸せになる資格がある」のような台詞と共に、強大な力で相手を殴り倒す「乙」のレンフィールドの姿からはカタルシスが感じられる。
ケイジのドラキュラ扮装も印象的だ。制作陣は、実感できるドラキュラを作るために、ケイジの身体を模した後、それに合わせて尖った歯、長い爪などを3次元(3D)プリンターで製作した。ケイジは、3Dプリンティングされた入れ歯をはめるために、自分の歯を削るほど熱意を見せたという。
崔智善 aurinko@donga.com