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砲撃の中で「家出」したチンパンジーの帰還、ウクライナ人たちも安堵

砲撃の中で「家出」したチンパンジーの帰還、ウクライナ人たちも安堵

Posted September. 09, 2022 08:44,   

Updated September. 09, 2022 08:44

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5日、ウクライナの第2都市ハルキウ広場の近く。今年で10歳の雌のチンパンジー・チッチと飼育士のビクトリア・コジレワ氏が互いに1メートルほど離れたまま、「動物園に帰宅するかどうか」をめぐって対峙していた。チッチは同日、ハルキウ動物園から脱出した。コジレワ氏の「説得」にもかかわらず、チッチは背中を向けて座ったり、彼を押すなど頑なに拒否した。

しかし、約2時間続いた対峙は一瞬にして終わった。突然雨が降ると、チッチは素早くコジレワさんに走り寄った。コジレワさんが着ていた黄色のジャンパーを脱いで着せると、チッチは彼の胸に抱かれた。チッチの「逸脱」が終わる瞬間だった。チッチは、コジレワさんの自転車に乗って、無事、動物園に戻ることができた。チッチが広場でコジレワさんに会っていざこざになり、自転車に乗って「帰宅」する動画は、ソーシャルメディアとオンラインで急速に広がっている。

7日、米ニューヨークタイムズ(NYT)は、今年3月のロシア侵攻初期に、集中砲撃と空襲で都市全体が焦土化したハルキウの市民の心を温めたチンパンジー・チッチの話を紹介した。

ハルキウ動物園側は、チッチがなぜ、どのように脱出したのか明らかになっていないと伝えた。ただ、ロシア軍の砲撃と空襲のサイレンが絶えず鳴り、チッチだけでなく動物園の他の動物たちも深刻なストレスを受けていると、動物園側は明らかにした。戦争の恐怖を動物たちも感じていることになる。

チッチは、ロシアがウクライナに侵攻した今年2月24日、元々住んでいたハルキウ北部の「フェルドマンエコパーク」動物園で救助され、ここに運ばれた。当時、フェルドマンエコパーク動物園ではオランウータン2頭とチンパンジー1頭をはじめ、100頭の動物が砲撃を受けて死んだと伝えられている。

ハルキウは今年3月、ロシア軍に占領されたが、5月にウクライナ軍が奪還した。チッチが動物園の外を見物したこの日も、ハルキウの郊外ではロシア軍の空襲で民間人3人が死亡した。


キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com