
大統領記録館が、西海(ソヘ・黄海)で北朝鮮軍に殺害された公務員のイ・テジュンさん(死亡当時46歳)の遺族の大統領記録物公開要求を拒否した。
23日、遺族代理人の金基允(キム・ギユン)弁護士によると、大統領記録館は22日、「貴下(遺族)の情報公開請求に応じることはできない」という通知書を遺族宛てに送った。イさんの遺族が先月25日、事件が起きた2020年9月当時に大統領府が国防部と海洋警察庁から受けた報告と指示書類などを公開するよう請求したが拒否したのだ。
大統領記録館は、「大統領指定記録物の場合、大統領記録物法により国会在籍議員3分の2以上の賛成があるか、管轄高等裁判所長官の令状が提示された場合にのみ閲覧などが可能だ」と明らかにした。また、「(関連記録物の)存在(所蔵)の有無を確認することはできない。大統領指定記録物と指定された目録も大統領指定記録物」と付け加えた。目録や保管の有無も確認する権限がないということだ。大統領記録物は最長15年間(私生活関連資料は最長30年間)閲覧が制限される。
遺族側は「情報を意図的に隠している」と反発した。イさんの兄のイ・レジンさんは同日、東亜(トンア)日報の記者の電話取材に対して、「情報公開の拒絶は遺族の知る権利への深刻な侵害」とし、「革新系野党『共に民主党』が公開に協力しなければ、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領への告発も検討する」と明らかにした。また、「27日に『正式に要請すれば、公開は避けない』と言った禹相虎(ウ・サンホ)『共に民主党』非常対策委員長に会って公開を要請し、同党の朴洪根(パク・ホングン)院内代表に会って国会が関連記録物公開を議決するよう要請する」と明らかにした。
22日から海洋警察庁の監査に着手した監査院は、23日に海洋警察庁に特別調査局監査官を送り、関連資料の確保を続けた。監査院は確保した資料を基に監査を通じて、当時の報告や意思決定過程、手続きなどが法に適っているのか確認する予定だ。
仁川=コン・スンベ記者、イ・スンウ記者 ksb@donga.com · suwoong2@donga.com